雨の道

瞳からこぼれ落ちた時に

涙は降り出した雨と混じって

頬をそっと伝い

ちいさな一滴しずくになり

地面に還っていった


ただ、歩き続けたかった

それだけしか痛みの忘れ方を

思いつけずに


傘を持たないわたしに

寄り添うように雨が降っていた


目の前にあるのは

白く煙った音のない世界


わたしは独り

降り続く雨のなかを歩き続けた


あの日

残酷で静かな

時が止まったような世界を


雨と歩き続けた

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