枯木星

ずいぶんと

日が暮れるのが早くなった

薄闇のなかを

コートの襟をかき寄せ

足早に家への道を辿たど


すっかり葉が落ちた

枯れ枝の隙間から

星がのぞいている


枯木星かれきぼしというらしい

風情のある言葉が

日本語には沢山ある


思わず寒さを忘れて

わたしは足をとめて魅入ってしまう

知らなければ

そのままだった小さなこと

たったそれだけのことは

でも、ひとつの"縁"


ぶるりと身を震わせて

また歩きだす

この冬という季節を



枯木星かれきぼしを見つけたように

ふとした瞬間に気づくこと

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る