灰青

灰青を薄くまとったような景色が

車窓の外を流れていく

雨粒が窓ガラスを

小さくノックして

水玉模様をつくっている


12月の風景は

空も木々も人も街並みも

静謐せいひつの影を帯びているようで

わたしはその密やかさが

好きだったりする


灰青のしみじみとした美しさが

わかる年齢としになったのだなぁと

ぼんやりと思いながら

うつらうつらと

バスに揺られている

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る