第42話 メントスの冒険者ギルド

日が暮れる前にメントスへと着いた私達は冒険者ギルドへ寄る前にギルドマスターが先に宿を押さえていた。元々メントスの街自体がさほど大きくない為に宿屋も余り多くないとギルドマスターから教えて貰った。今の時期はまだそこまで混雑する時期ではないので比較的宿の確保も難しくはないが、時期によっては宿が取れずに街の外で夜営する人達も居るそうで....。


取り敢えず私もまだ子供なので部屋は1室だけ予約した。まぁギルドマスターなら同室でも問題ないだろう。


その足でメントスの冒険者ギルドへと赴いたのだが......。


「あら~!シリウスじゃないの!!久しぶりねぇ~元気にしてた?」

「......リン、こいつがメントスの街のギルドマスターだ」


まさかのオネエギルドマスターだった......。



「そろそろ来る頃じゃないかって思ってたのよね。まさか可愛い女の子を連れてくるとは思わなかったけど!あ、アタシはアリオスって言うの、宜しくね」

「リンです、宜しくお願いします」


いや、私には特に偏見は全くない。ないけどまさか異世界にもオネエサマが居るとは思ってなかったから吃驚はしたよ!?しかも冒険者ギルドのギルドマスターなんてさぁ……意表つきすぎじゃない??


「それにしても女の子が同行してるなんて珍しいわね~、いつも1人で来るのに」

「今回はこいつの用事に付き合うついでに視察も済ませたら一石二鳥だと思ったからな」

「あら、用事って?」


メントスのギルドマスターに聞かれ、ギルドマスターが此方に視線を向ける。.....別に言っても何の問題もないけど?私の用事だから言わないのかな?


「ホワイトバードの羽根が欲しいので狩りに来ました」

「え?」


ギルドマスターと同じ様な反応をするギルドマスター.....ってややこしいからアリオスさんで良いや!


「ホワイトバードの羽根が欲しいので.....」

「わかってる!ちゃんと聞こえてるわよ!!」


より大きな声で繰り返し同じ事を言おうとして素早く止められた。残念である。


「シリウス....マジで?」

「リンはつい最近冒険者になったばかりだが実力は確かだ。ホワイトバードぐらいなら自分で狩れるだろう....けど見た目子供だからな、流石にここに1人で来るのは危ないからなぁ......」

「ああ......そう言う事ね。まぁシリウスがそこまで言うなら実力は確かなんでしょうけど」


何だか2人で納得してるみたいなんですが?


「あら?もしかしてリンちゃんは知らないのかしら。シリウスって今は引退してギルドマスター何かやってるけど元はSランク冒険者なのよ~」

「え!?」


いや、マジですか!?慌ててギルドマスターを振り返れば困ったような、照れてるような微妙な表情をしていた。


うん、イケメンのその表情、御馳走様です。











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