第36話 ランクアップ
この世界に来て初めての友人が出来た。本当は親しい"友人"を作るつもりはなかったんだけど2人とも凄く善良そうな子達だっさたんだよね~。
まぁずっと話してても苦痛はなかったし、意外と話してても楽しかったし......。それに恋愛関係にしても、あの2人がずっと仲が良いのでれば私にはあまり関係して来ないだろうしねぇ......ま、それに関してはもっと先の話だろうけど
2人はもう少し採取すると言うことで私だけ先にギルドに戻り、マリッサさんの受付窓口で依頼達成の報告をするついでに、昨日倒したシーフウルフがどうなったかの確認をする。
「マリッサさん、昨日私が倒したシーフウルフ達の扱いはどうなったんですか?」
私がそう尋ねて見れば、マリッサさんは混乱してて話すのを忘れてたと素直に謝罪してきた。曰く、
「リンちゃんが倒したシーフウルフは全部で28頭だったわ。全てギルドに運んで解体の処理をして買い取り素材の計算も.....うん、終わってるわね。これが買い取り金額の内訳表と支払金額ね」
私は渡された内訳表を見ながら金額に間違いがないかを確認する。うーん、一気に収入が増えたわ!
「後は....あ!リンちゃんおめでとう。今回の討伐分でランクアップよ!」
おおっ!これは素直に嬉しい。怪我した甲斐があったわ~!!怪我の功名ってやつよね。
「これだけ短期間でランクが上がるのは凄い事よ?」
「そうなんですか?」
それはそれは。
「新人冒険者が出来る依頼は大抵が採取や弱い魔獣の討伐に街の中での雑用だったりするからランクをあげるには兎に角物量をこなすしかないのよ。本来ならリンちゃんはFランクだから、シーフウルフレベルの討伐依頼は受けられないからランクアップの対象外になるんだけど、あれだけの数のシーフウルフを倒せる実力があるならと今回は特例でランクアップ対象に含める事になったそうよ」
へぇ~……確かに依頼をこなさないと基本的に冒険者ランクが上がる訳ないんだから当然と言えば当然で。恐らく今回の事件のお詫びも兼ねてるんじゃないかな?と推測したけど黙っておいた。ま、ランクが上げて貰えるならどんな理由だとしても問題ないしね。
「リンちゃんは今回でEランクになったから、Dランクまでの依頼なら受けられるわ。Dランクは採取は勿論だけど、討伐依頼も一気に増えるから条件の良い依頼を希望するならギルドには朝早目に来た方が良いかもしれないわね」
「.....正直あの依頼争奪戦の中には入りたくないです」
まるで日本のスーパーの特売やバーゲンセールに群がる奥様方のような冒険者達の姿を思い浮かべて、まず加わるのは無理だなと思う。
「......そうねぇ......リンちゃんなら押し潰されそうだものね」
マリッサさんも苦笑しながら頷く。
「今日はお昼からはどうするの?もう1件何か依頼でも受けるのかしら?」
「いえ、今日はお昼から足りなくなった日用品の買い物に行くつもりです」
その後は久々にのんびりと作ろうと思ってたクッションやら色々な物を作ろうと思う。思い立った時に作らないと、ずっと造らないままで終わりそうだし......
「そうなのね、気を付けてね」
「はい」
その日の午後、久しぶりにガッツリと裁縫に勤しんだ私は、実に3個の大中小の大きさのクッションと、床に敷くようのキルト風ラグを凄いスピードで作り上げていった。
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