怨々と浮かばれぬ。哀れ、末代まで彷徨う野鎌。
- ★★★ Excellent!!!
かつて、生きるために村人が争った。
親兄弟の惨たらしい死。
瀕死の少年は恨みながら逝った。
投げ込まれた穴から、奴らを…見上げて。
野鎌。野鎌。血を吸う野鎌。
突然掴まれる足。唸り飛ぶ鎌。
かつての因縁は子々孫々に及ぶ。
四百年、風化されない怨々。哀れ。哀れ。
理不尽な死の間際、
野鎌の刺さった若い犠牲者は、
復讐の化け物に語りかける。
大事な人を守りたい気持ち。
お前にもいたのだろう…と。
足首を掴まれる者…また一人。
恐ろしくて悲しいお話。
それなのに。絶望させないラスト。
不思議なホラーです。
出会えて良かった素敵な作品でした。