35
「“
ソフィアが手に持っていたリボルバーを発泡。
そして、そこから
「“
鷹一の右拳が、
“
あくまで頭数を揃えることに特化した
よろめく
“
打撃は効かない。そもそも関節がないので、関節技もできない。投技も同じ理屈で通じない。
だが、それでも対処法はある。
鷹一は、腕に巻いた“
元はマフラーとはいえ、硬度を高めれば鉈のようになる。
鷹一はそのマフラーで作った鉈をスライムに振るい、両断した。
ソフィアの目にも、鷹一の
“
しかし、その
実況AIが『さあ、両選手! レイズタイムが発動しました!』と、二人に
鷹一が新たな
そこから飛び出したのは、
その二体が、鷹一に向かって襲いかかった。
ソフィアには、この二体で鷹一を倒す事ができないことくらいわかっていた。
ほしかったのは、自分が最初から狙っていた二つの
(鷹一……。あなたは確かに強い。でも、AAAにおいて、大事なことがわかってない……)
AAAは、ただ強い人間が勝てるわけではない。
強さは前提条件であり、絶対条件ではないからだ。
大事なことは「こいつは勝てる」と、思ってもらうこと。
つまり、前半戦でしっかりと相手に勝てることを観客に示す事が大事なのだ。
だからこそ、ソフィアは少しずつ、鷹一を上回ることに重点を置いて立ち回った。
最初に鷹一が待ち伏せをすると読み、あぶり出したのもそう。
鷹一に
最後のコースターからの心中もどきは、ソフィアの想定から外れていたが。
それでも、観客へのアピールには十分だった。
おかげで、狙っていた異能力二つを獲得することができる。
鷹一はソフィアの出したハーピーを伸ばしたマフラーで捕らえて引き寄せ、殴り倒し。
そしてゴーレムは、
「レイズタイムで能力を得たって、使わせなきゃおんなじだろうがッ!!」
鷹一はそう言って、自らも新たな
それは、風間戦で使った“
彼の全身をオレンジの炎が包み込み、急加速し、螺旋の拳を突き出した。
ソフィアがどんな
(そして――鷹一は、わからないことがあると、力押しでが基本パターン!)
ここまで鷹一の戦いを観て、ソフィアが見出した鷹一の思考パターン。
自分の拳を信頼しているからこそ、迷ったりわからないことがあると、まずは拳を突き出してくる。
だからこそ、これが効く。
ソフィアが構えたのは銀色のリボルバー。
それはどう見ても“
また、同じ、効かなかった
そうは思ったが、鷹一は関係ねえとソフィアに向かって突っ込む。
“
「鷹一、
ソフィアはニヤリと唇を歪め、引き金を絞った。
銃口が破裂し、そこからは、モンスターではなく、ただの弾丸が飛び出す。
そしてその弾丸は、鷹一の眉間に激突。
鷹一の頭が後ろに跳ねて、思わず急ブレーキをしてしまう。
“
しかし、なんの変化もない。
じゃあなんだ?
と、答えがそこにあるかのように、鷹一はソフィアを見た。
そしてソフィアは、見せつけるように拳銃を軽く振る。
すると、まるで粉が落ちるかのように、サラサラと色が落ちていき、銀色のリボルバーは、あっという間に金色になっていた。
中折れ式で、装弾数一発。
トンプソン・コンテンダーという銃に似ていた。
「これは“
“
しかしその分、フィニッシャーとして通用する強力な一発だ。
見た目を変える
ここまで鷹一には、散々“
だからこそ、鷹一の思考傾向なら、見た目さえ騙せば、当てられると思っていた。
「……だから? ダメージなんざ、まるでねえぞ!」
そう言って鷹一は一歩踏み出し、そして再び“
しかし、一歩踏み出したが、そこから先、何かをすることができなかった。
「“
「言葉、だぁ……?」
“
ソフィアは、鷹一の弱点が「レイズタイムでポイントを稼ぐことの重要性を理解していないこと」と「思考が力押しになりがち」になることだと分析していたが。
それと同時に、鷹一の強みも理解していた。
負けがほぼ決定してもなお、夜雲に殴りかかったり。
コースターから心中のように飛び降りたりしたところからも分かる通り。
勝利にかける執念が、鷹一の最大の武器。
ならば、それを折ればいい。
ソフィアが“
「鷹一が戦う理由、それを忘れて」
ソフィアの言葉に、自分が打ち込まれた命令を自覚した瞬間。
鷹一の中で、何かが砕けた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます