第113話 着想とイメージ-SFっぽい妄想の創作法-
ちょっと名古屋場所の話。大相撲終盤に向けて、となるのだが、横綱つよいなあ。土が付いていない。……なんて思っていたら本日、大の里の快進撃に負けた。両者ともに素晴らしい。
そんな取り組みの話はさておき、最近、砂被り席やたまり席に座る観戦客の美人さんが話題になることが多い。ちょっと前は「たまり席の妖精」なんて呼ばれるひともいた。名古屋場所でも浴衣の君や美人さんが話題になる。そんなニュースを耳にすると取り組みの観戦に集中できないので、なるべくその類いの話には関わらないようにしている。清楚系美人さんが多いようだ。気が散るので記事を読まないようにしている。うーん、でも気になる(笑)。
さて本題。妄想的な創作を試みると、日常にある風景を脚色するという手法(?)がある。稚拙な手法だが、子どもの歌にあるような「そうだったらいいのにな」という歌の歌詞の内容に近い。
ウチのお庭をジャングルに見立て、愛犬をライオンに見立てるあれだ。それと同じく、自分の周りの日常風景を未来都市に見立ててみるという、もの好き手法でSFを書いてみた。今回はそんな暇潰しにお付き合い頂こう。
❶妄想
ばりばりとレーザーエネルギー銃の音が響きわたる未来都市TKOエリア
「ふっ、半分か。いつヤツらに囲まれるかも分からないこの場所だ。満タンではないがありがたい。用心に越したことはない」
すると頭上から火炎槍の束がオレを串刺しにするかのように降ってきた。
慌ててオレは軽量チタン合金製の防弾パラソルを開き、間一髪のところで、その火炎槍を全て払った。燃えかすのような炎の池がオレの足下でくすぶっている。
「ヤマトタケルが相模の敵と対峙したときも、こんな火の中での荒れ戦だったのか?」※1
そう思いながらも、また槍が降ってきては身が持たない。エリア419のステーションへと飛び込んで、建物の中へと身を隠す。
❷現実
ピロロンとスマホの音が響き渡る雑多な街、東京の新宿。そっとのぞき込んで僕はスマホの電池残量を見た。電波感度計と時刻表示の横に50パーセントの文字。
「ああーあ、半分だ。満タンではないけど、まあそこそこ持ちそうだ。いつ連絡が来るかも分からないのに大容量の画像が来ないようにしないと。用心だな」
ふと空を見上げると、ぽつりぽつりと雲行きの怪しくなった空から僕にシャワーを浴びせるように急に雨が降り出した。
慌てて僕は左手で持っていたビニール製の透明傘を開き、間一髪濡れずに済んだ。大粒の雨が見る見る間に水たまりになって、僕の足下で水面に輪を描いている。
「
そう思いながらも、さらに雨が強くなっては身が持たない。新宿駅の地下通路へと飛び込んで、地下道へと身を隠す。
❷は先日の出先だった新宿で思ったこと。まあ、このエッセイで書いているような日常のどうでも良い出来事。エッセイだ。それをベースにして、風景をSFで塗り替えると❶のこんな感じになるなあ、とアホ丸出しで空想モードの物語創作をイメージ。
このパターンの発想って、僕がまだ十代の頃のSFの発想である。SFの在り方が現在よりエキセントリックな感じだ。古いタイプのSFの世界観なのは悪しからず。憂いを秘めた物語に持って行くプロットもだ。
そして日常や現実にあるものを、小道具や時代を変えてSFに表現させた世界観である。そのサンプル文章といった感じで想像してみた。現実の風景を並べて公開しなければ、なんと未来の新宿はこんなイメージで想像しているのか、と一から世界観を構築しているように見える。でもそんな大それた構築手法ではなく、現物のアイテムを入れ替えているだけである。僕自身、この手法で現在は物語を作ることは、ほとんどないけど、今回書いてみてまだこの方法は使えるかも? って思った。ポンコツの僕でも、まだこの手法で物語の創作、想像、そこそこ出来るようだ。ではまた。
※1『古事記』に出てくる場面
※2『xxxHOLiC』に出てきそうな場面?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます