第10話 テレビ番組の思い出
僕は幼少期ほとんどの時間を祖父母と過ごしていたせいか、早起きな子どもだった。だから親の家にいるときも、テレビは親の起きていない時間に見ることが多かった。なんなら最初の放送開始パターンを覚えている。日本テレビは鳩の映像と一緒に「♪おとなになったあなたが愛の素晴らしさ思い出すでしょう~」、テレビ朝日は「♪我が家の友達10チャンネル、テレビ朝日~」なんて歌が流れていた。フジテレビは彫刻の森と色のついたガラス棒の幾何学模様の映像だったような気がする。
朝の子ども向け番組。例えば「コンちゃんのおはようのど自慢」や「おはよう! 子どもショー」というロバ君とガマ親分の出てくる番組。ゆきえおねえさん、しんぺいちゃん、かっぱのカータンという着ぐるみのマスコットがいた「ママと遊ぼうピンボンパン」、「カリキュラマシーン」というシュールな短時間番組。
そのほかの子ども向けは再放送の番組が多かった。一般向け番組を視る時は、朝の出勤時間帯、通学時間帯で東京放送の「おはよう700(セブンオーオー)」、見城美枝子さんのキャラバンコーナーや、NETテレビとテレビ朝日を跨いで続いた「みどりの窓口」という国鉄番組、南 美希子さんや斉藤みどりさんなどが司会をしていたのを視ていた。この頃、子どもなので電車が好きだった。ブルートレインが出る日にはわくわくしたものだ(笑)。
長期の休みになると午前中に各局「夏休みこどもマンガ劇場」とかで再放送がオンパレードする。また本当の早朝には平日、やはり子ども向けの再放送も多かった。
けんちゃんシリーズやあばれはっちゃくシリーズ、「変身忍者嵐」、「かいけつライオン丸」、「仮面の忍者赤影」、「人造人間キカイダー」、「サイボーグ009」、「海のトリトン」、「天才バカボン」、「新おばけのQ太郎」、「ど根性ガエル」、「ルパン三世」、「花のぴゅんぴゅん丸」、「五年三組魔法組」、「猿飛えっちゃん」、「魔法使いサリー」、「どろろんえん魔くん」(古い記憶ゆえ表記漏れ、表示違いなどご容赦下さい)など結構な子ども向け番組が再放送されていた。この挙げた例は、頭に残っているものだ。他にも多くのアニメ番組が長期休みや早朝に再放送をしていたはずだ。
小学四年生以降はほぼテレビを見る時間が極端に減ったので、マンガ本を読む期間が増えた。そして小学校六年生以降は音楽を聴く方が多くなっていった。
さてテレビ番組に戻すと、荒井注さんの「ディズ・イズ・ア・ペン」や小松政夫さんの「しらけ鳥の歌」、伊東四朗さん扮するベンジャミン伊東と電線マンがこたつの上で踊る「電線音頭」が好きだった。その影響からキャンディーズの番組も見ていた気がする。いまでも懐かしんでキャンディーズのヒット曲はごくたまに聴くことがある。好きな曲は「夏が来た!」、「哀愁のシンフォニー」である。その記憶を辿り当時の世相を思い出して、『此花と二番館興業(セカンドラン)』という小説をかつて書いた。別の媒体なのでお時間の許す方は、調べて下さい。※1そしてよかったら後でご覧下さい。
かつての人口比で子どもの多い時代は空き時間があるとテレビ局はアニメや物語を多く流していた。今は少子化、子ども向け番組は少ない。その子どもたちが成長して若者になると歌番組が増えた。それが僕の記憶では、主観的に残っているが、それらを僕たちが見ることが出来たのは、たまたま自分たちに合った番組がやっていた訳では無く、媒体とスポンサー、広告代理店の大人の事情、視聴率や人口比世代別ターゲットなどが絡んでいたのだろう。そんなこととはつゆ知らず、「あ、今日もテレビでマンガやっている!」と喜んでいた昭和四十年代から五十年代初頭の子どもの僕がいたのである(笑)。
※1 現在はカクヨムさんでも読めるようになっています。
「此花と二番館興業(セカンドラン)」
https://kakuyomu.jp/works/16817330652524873018/episodes/16817330652526713680
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