秘め事
絶対に誰にも言うたらアカンよ。
ここ歩いてった先にな、俺が小さい時から作っとる秘密基地があんねん。だーれも
初めは拾ってきた木の板とか、葉っぱとか適当に組み合わせとったんやけど、だんだん本格的になってしもて。けどちゃんと周りの風景と同化しとるで、あんま家っぽさはあらへんよ。やから誰にも知られてへん。ほんまの秘密基地や。
気になってしゃあないって顔しとんで。
ええよ、案内したる。
足元気ィつけてな。たまに鳥とか蛇とか死んどるから、踏まんように。呪われたらかなわんやろ。
ほら。見えてきたわ。あの小屋が秘密基地。
よう目ェこらさな分からへんやろ。パッと見は狭そうやけど、意外に中は広いねんで。
ストレス溜まるとな、いっつもここ来んねん。自然いっぱいやし、ひと気あらへんから自分のやりたいこと好きなだけやれる。
そうや。君、記念すべき十人目やで。なんのって、秘密基地教えたった奴に決まってるやん。
ついでにもう一個教えたるわ。俺がいっつもここでなにやっとるか。
刑事モンとか医療モンのドラマあるやん。ああいうので時々、検死やら解剖のシーン出てくるやろ。やってみたいなあ思うんやけど、俺は医者の免許なんか持ってへん、普通の会社員やん。
やからここに連れてきた奴で真似事すんねん。秘密のごっこ遊びみたいなもんや。
言うたやろ。
ここの秘密基地は誰にも知られてへんって。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます