第45話 【番外編】ゲーム的世界における兵士達の役割

注意:この話はリアル中世の話ではなく、フィクション的なファンタジー世界のものです。


 俺の名前は奥洲天成。

 転生した俺は、救世主ケルシロウの軍に入り、蹴王ルオウを倒すべく進軍している。

「ネーミングが手抜きしまくりですね」

「最初、アルフィムとかガフィンにしようかなと思ったらしいが、近々使う予定なのでネタバレになると思ったらしい。次いでジョーとウラディーミルにしようかとも思ったが、それもそれでアレなんでやめた」

「さよですか」


 両軍は決戦の地で向かい合った。

「ルオウよ。今日こそおまえを討ち果たす」

「ハハハ、弟よ。貴様ごときにこのわしが倒せると思うか?」

 お互い、あまりに定番なセリフのやりとりを交わしている間、俺は部下に指示を出してシェルターを作らせる。


「では、殺し合おうか」、「おうとも」


 二人の戦いが始まった!

 蹴王ルオウのキックが隕石の雨を降らしたかと思うと、救世主ケルシロウの百裂脚が極太雷となって迎え撃つ。


 俺達はその間、両軍揃ってシェルターの中に入り、ゲームなどをしてやりすごす。時々ズズゥンという音が響いてシェルターも揺れる。派手にやりあっているようだ。

「オイッス、その白当たりです。大三元、字一色のダブル役満」

「テンセー、馬鹿野郎! 何振りこんでんだ!」

「仕方ねえだろ。こっちも七対子のイーシャンテンだったんだから!」

「七対子で役満に勝負する阿呆がおるかー!」

「というか、七対子なら頭を変えろよ」


 そんなこんなで二時間ほどが経った。

 いつしか音がしなくなっていた。


 俺達は外に出た。

 二人はまだ立っている。

「フッ、覚えておくがいい……。強くなったな、弟よ」

 蹴王ルオウが倒れた!

 救世主ケルシロウの勝ちだ!


「あー、蹴王様が負けてしまわれた」

 蹴王軍の面々はガッカリした様子で全員が故郷へと帰っていった。


「さて、ここからが俺達の仕事だ」

 俺達ケルシロウの軍は二人の戦いでボロボロになった街や村の復旧にあたる。

 逃げ遅れて重傷を負った人達を見るにつけ、こう思う。

 蹴王ルオウの弟ロキさんがいれば、トリックで治療することができたのに、何であの人はルオウに挑んで死んでしまったんだ、と。


 ともあれ。

 俺達の戦いは、これからだ!



"女神の一言"

 最初に思ったのはバスタードあたりでしたでしょうか。

 いや、この軍、何のためについてきているの?

 リーダーの一騎打ちで済むんじゃね? みたいな世界が結構あるんですよね。

 三国志演義だって結構そういうきらいが……、ゲフンゲフン。


 そうなると参考になるのが自衛隊です。

 災害復旧の活動も積極的にしています。むしろ、こっちのためについてきているのではないかと。

 ケルシロウもルオウも復旧とか興味無さそう……。

 というより、破壊の後に再生ありの破壊面しか出来なさそうですし。

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