第101話
その二日後。由香里は再び本の館に足を踏み入れた。
アイリスが一冊の本を差し出した。ハードカバーの黒い本。
「……ナルシィの本と一緒に落ちてきた、もう一冊の武術の本?」
「そうよ。ハニービーン」
「ハニー?」
由香里は首を傾げた。全くわからない。ミスターなら聞いた事あるんだけどな。
「楽しみだな」
アズキがなぜか興奮している。……ハニービーンは女だな、と由香里は思った。ハニートラップのハニーかな?
「由香里、君を本の中へ
そう言ってチャシュが由香里とアズキに体をこすりつけた。
アイリスは由香里をぎゅっと抱きしめて言った。
「由香里、目的を忘れないでね。私とチャシュはここで待ってるわ。だから必ず帰ってきて」
由香里は
「行ってきます」
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