第100話

 由香里の説明にツッチーが補足ほそくしてやっと、アズキとアイリスとチャシュは夢の内容を把握はあくした。

「んー、由香里は休んでね。全身かなり疲労しているはずよ。今回、由香里は体ごと夢の中へ引っ張られていたの。今は体を休めて、精を取ってゆっくり眠ることね」

「取る? つけろって事? うん、わかった。スープを飲んでたくさん寝るね」

「んー、それも間違ってはないけどね。それじゃあ、また来るわね。バーイ」

 アイリスはヒラヒラと手を振ると、肩の上にチャシュを乗せ、ドアの向こうに消えた。ドアも消えた。

「それでは、私もこれで」

 そう言ってツッチーが消えた。煙のようにき消えた。

「えっ⁉ ツッチー? ……消えちゃった」

 ポカンとちゅうを見つめる由香里を、人の姿になったアズキが抱きしめる。

「え、何? どうしたの? えっとー、アズキ? スープ飲もう、ね」

「そっちじゃねえ、つーの。精をつけるんじゃなくて、取るんだよ」

 アズキは色気たっぷりにほほ笑むと、由香里にキスして甘くかした。


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