第98話
これは……ヤバい。
そこは前回と同じ部屋だった。けれど同じではなかった。
白い糸に囲まれて、由香里は部屋の真ん中に立ち
糸、糸、糸、白い糸。天井、壁、床、部屋中が、白い糸に
ぬらぬらした黒い
足の裏に、
これは……マズい。
完全に囲まれた。糸に
ナマコムシには目も耳も鼻も
ナマコムシが動きを止めた。ぬめりと光る体表が、
ピリッ。
ナマコムシの背に
「由香里」
下から小声で名前を呼ばれた。見ると足もとの床から大型犬ツッチーが、上半身を出していた⁉ えっ、ツッチー? 下半身は石の中⁉ 目を丸くする由香里のTシャツの
「ここから脱出します。イチ、ニのサンで体の力を抜いて下さい。いきますよ。イチ、ニのサンッ」
グイッ、と体が下に引っ張られ、由香里は白い床の中、落ちてガクンと目が覚めた。
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