第7話

「ふんふんふーん」

 

 ご飯を食べ終え、汗をかいていて汚い体を水タオルで拭いた僕は自分のステータスを眺めていた。

 

 ◆◆◆◆◆

 

 名前       アークライト

 年齢       12歳

 レベル      32

 職業       侍

 職業レベル    45

 サブ職業     なし

 サブ職業スキル  なし

  

 HP        12034

 物理攻撃力    6997

 魔法攻撃力    4561

 物理防御力    876

 魔法防御力    976

 素早さ      5684

 

 ダメージ倍率   2.68

 会心率      32%

 会心ダメージ   120%

 物理防御無視   11.0%

 魔法防御無視   11.0%

 ガード率     0.0%

 HP毎秒回復    1000

 HP簒奪      467


 スキル      ↑

 

 ◆◆◆◆◆

 

「職業レベルカンストまであと少し」

 

 僕の現在の職業レベルは45。

 侍の最大レベルである50まであと少しだった……おそらく三日もあれば上げきることが出来るだろう。


 現在の僕の職業は侍。

 初級職の一つである剣士から派生する三つある上位職のうちの一つ。

 攻撃力、素早さのステータス上昇率が高く、防御力のステータス上昇率が低い。

 HPを削る代わりに出せる超高火力のスキルが魅力の職業であり、『最果てのダンジョン』の人気職の一つだった。

 

 一つだけ選べるサブ職業にはまだ就いていない。

 サブ職業に就くとその職業のスキルを一つ獲得することが出来、ステータスもそこまで多くはないけどプラスしてくる。

 メリットしかないように見えるが、サブ職業には一つだけ落とし穴がある。

 基本的には変えることの出来ないメイン職業のレベルが一つ上がるたびにスキルのレベルに+1のボーナスが入るのだが、そのボーナスは完全ランダム。

 サブ職業の選ぶことのない一切使わないスキルにこのボーナスが行ってしまう可能性があるのだ。

 そのため、メイン職業のレベルがカンストするまでサブ職業を取らないのが『最果てのダンジョン』のプレイの仕方だった。


「ステータスを見ているの?」

 

 自室の扉が開けられ、ひょっこりとお姉ちゃんが顔を出す。


「うん。そうだよ」


「ありゃ……お邪魔だったかな?」


「いや、そんなことはないよ……もう見終わったから。何の用?」


「晩酌しない?って思って」


 そう告げるお姉ちゃんの手には酒瓶が握られていた。

 この世界において未成年の飲酒を禁止する法律はない。

 まぁ、基本的に子供の飲酒は控えるようにするのが常識ではあるが、あいにくと我が家にそんな常識はない。

 僕もお姉ちゃんもかなり昔からお酒を嗜んでいた。

 

「珍しいお酒が売っていたから買ってみたの」


「へぇー。楽しみ」

 

 僕はゆっくりと立ち上がる。


「今日は月もきれい……美しい月夜の日は晩酌も楽しいわ」


「そうだね」

 

 僕はお姉ちゃんの言葉に頷いた。

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