久井目白撫
「と、言うことで、新しい住人です」
「よろしくなのじゃ」
「メイ、通報を」
「もしもし、警察ですか? 誘拐事件ですわ」
「ちょっと待てええええええ!!!」
いや、その反応になるのは間違ってないけど。
だって、いきなり知らない幼女連れてきたわけだし。スク水白衣のままだし。犯罪者扱いされても仕方ないし。逆の立場なら同じことしてたと思うし。
「お姉さまと同居しているのに今まで夜這いしてこなかったのは不思議だと思ってましたが、そっちの趣味だったとは思いませんでしたわ」
「仲間が増えることに否定的だったのは、今まで年上ばかりだったからか。これからはそっち方面でも探してみよう」
「弁解の余地はないのですか? ひどいや」
こういう時こそ
「さっきも言ったけど、この子は……」
「
「え? 知ってるの?」
まだ、名前までは言ってなかったのに。
「逆に知らない方がおかしいですわ」
知っててあの反応だったの!? 悪ふざけがすぎる。
「確かにスカウトしろとは言ったが、まさかいきなり彼女を連れてくるとは。流石に予想外だ」
「別にスカウトしたわけじゃないんだけどさ。さっきからその反応何?
「有名も何も彼女は――」
「すみません、ご主人。夕食の支度をしていてお出迎えが出来ず」
そこへリビングから
「あれ?
そして、
「そう言うおぬしこそ、
「もしかして、2人とも顔見知りなの?」
「はい、
「へ~、カミシログループの社員なんだ」
「あなた、何を言ってますの?」
「え?」
「一社員とかそういう次元の話ではありませんわ」
どういうこと? と疑問の視線をプリムラに投げた。
「彼女の父親は、カミシログループ技術開発部門最高責任者だぞ」
「なにそのすごそうな肩書」
「すご
「……マジ?」
「自慢の父じゃ」
マジじゃーん。
てか、あの工場が
普通の女の子が工場丸ごと1つ持ってるわけがないんだよ。
最近の現実離れした出来事の連続で感覚が鈍ってしまっていた。
「にしても、流石ご主人です! あの
「あ、ちょ、
「幹部? 何の話じゃ?」
「何って、決まってるだろ。次期魔王であるご主人の幹部にお前は選ばれたんだ」
あちゃー。
止めようとしたのに
僕は額に手を当て項垂れる。
「なんだ、彼女にまだ話していなかったのか?」
「話すも何も言うつもりはなかったんだよ。無関係な彼女を巻き込みたくなかったから」
「じゃあ、なんでうちに連れてきた」
「それは困ってたし、やむを得ず……」
「用は考えなしに動いたってことだろ」
「い、いや、考えなしではない。ちゃんと考えてたって。さっき、勇者関係者と
「巻き込みたくないと言っていたが、巻き込まれたのはお前の方か。ただ、もうどうするべきかは分かっているんだろう? この状況にあう最善手」
「わかってるけどさぁ」
「なら、あとは彼女に伝えるだけだ」
「はぁ~~~、分かったよ。僕から伝える」
僕は
「これから話すことは全て事実だ。もし信じられないとか、この話を他の所でしようとか、そう言った場合は記憶の消去をしてもらうことになるがいいか?」
「一体、どんな物騒な話をするというのじゃ。こんなやりとり、二年前に受けた案件依頼じゃ」
こんないい方された案件が別にあったのか……。
「じゃあ、まずは僕の話から………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………
「ってことなんでけど、話しついてこれた?」
僕がプリムラと出会ってから起きたこと知ったこと、それら全てを
「魔王候補、スペード、ハート、ダイア、クローバー。歴史上初の魔王候補性が人間。さらに、クローバーから魔王がなったこともない」
まぁこういう反応になるわな。
「
「すっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっごくロマンじゃ!!!!!!!」
「今まで誰もなしえなかった偉業。それを人間の落ちこぼれが成そうとするなんて、最高の展開じゃ! 乗ったぞ、その話!」
「それって、つまり……」
「今日から、わしはおぬしの幹部じゃ!」
「えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
梗夜、メイに続き、新しく白撫が入居することになったのだった。
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