第18話 6000は6000の開度じゃないとな

ライダーに登りのワークを大事に 怠ると次の出口で吹けが甘くなる

38のブレーキもしっかり効くようになった 突っ込めるが


出口の立ちあがり重視のキャブセット きちんと減速 向きかえ

立ち上がりでワークして開けきる 必ず其の方が速いし バトルも勝てる

イメトレスタート とコース図とストップウォッチを渡す


俺の話を後ろで聞いて 「うんうん」と頷きっぱなしの内村さんと佐々木さん

「大円くん 外人さんも連れて 涼風にコーヒーに行こう」内村さん


6人でコーヒー飲んで


「いやぁ 助かる 現役のキャブセッターに戻ってくれて

 自分のバイクでタイム叩き出されて こうだぞ って勉強にしかならん」


「そうそう さっきのスポーツ走行 うちのエースの68がついていって

 ラスト1周ジリジリ離されて、泣いて帰ってきた 勉強になったはずだ

 挙句のアドバス 俺らが言っても聞かんが 眼の前で離されてだからな」


後から「あれ、そのパンチ まさか大円くん」と白子レーシングの工藤さん

混じって


「藤田くんのシリーズ6位の後にいきなり消えたから うちも探したんだよ

 ライダーよりも欲しいキャブセッターだしね」


「この人らと スキーにハマってます」と二人を紹介する


「どうして復帰 しかも三河バイクさん なにか契約とかしたの」


「こちらの彼女と遊園地に来てさ こっちのゲートで追い返される所で俺が拾った」

笑う親父の内村さん


「縁と運ですね あそこで内村さんに助けて貰えなかったら振られてましたから」


「そうです 遊園地に行こうで こっちのゲートとか一般人は??ですよ」


ジョルジェットとマッシモは大興奮のママ


「ここ涼風は 8耐でもなんでも開いてるから 其の席に

 クリスチャン・サロンが座ったかも」笑いながら言うと


この一言で ジョルジェット 立ち上がって席交換

外人でもやるんだ と皆で爆笑


「鈴鹿に来た ドライバー ライダーは 皆一度はこの店でコーヒーを呑む

 そう言う店だ 楽しんでもらえてうれしい」と白子レーシングの工藤さん


マッシモも興奮しだして早口のイタ公 聞き取れないが「そうかも」と言っておく

なんか祈りだした 笑えない


遊園地に行って飯食って さあジェットコースターに乗ろうとしたところで

ジョルジェットもマッシモも ピットに行くと言って聞かない


「エイコモ カサ ヤル」と誘ってる


それは並べたら可愛そうだろ 178の8.5等身で胸も腰もの仏美人と157の栄子ちゃん

しかしいい出したら聞かないお貴族様のお嬢様 午後のスポーツ走行の前に

パラソルパフォーマンスになる


マッシモはピットボードを離さない どうにも なっていると もっとどうにもが

白子レーシングの73が、キャブセットをお願いしてきた 


今年 新車買って始めたばかりの子 

別に専属契約とか結んでないし 内村さんのOKを貰い 73に乗る申請を出す


スポーツ走行開始 後に突く38と68 物凄くエンジンが軽く廻る 即ピットへ


「誰がセットした! 普通に焼き付くセット バイクが可愛そうだ」激おこ


ど新人クン 真下向きながら手をあげる


「このセット廻るけど 10周で焼き付く 薄杉だ 

  ガソリンの冷却がまるで効いてない イジるぞ 」もう68に合わせていく


ピットアウトしてコースイン 少し重いのと上しかパワーがない

ピットイン Jニードルとかいじって ピットアウト 2周 24″台

ピットインしてピットアウト 後3周 ペースを上げて22″3 21″0 20”4


「俺のセットはライダーにワークを要求するから

 キチンとアクセルを10段階くらい コントロールできるようにな」


ど新人クン 自己ベストで28″台 自分のバイクで20″台が出され

走るんだ と言う希望と 下手くそだ と言う自覚 が入り交じる


工藤さん大喜び 新人育成に最適 


ラスト3周にを付いてきた38と68 20″4でついて行くのが精一杯


「工藤さんのトコでアクセルが十段階って言ってましたけど そんなに細かく」68


「23からとかまっちゃんとかだと無段階でジワーと開けるよ そこで遅れてたよね

 焼き付かないように少し濃い目 これでガバッとあけるとパワーが出ない

 ジワーと燃料を燃やしながら 回転なりのトルクを出してく


 早すぎると濃くてトルクダウン 遅いと そのまま加速せずだ

 9000の全開と6000の全開は意味が違う 6000は6000の開度じゃないとな」


内村さんに、言われていた事だが 眼の前でやって見せられると言葉の重みが違う

そうは言っても 20″台前半 予選上位を充分狙えて 入賞も見える


口には出してないが、へんなパンチと思ってしまったことを反省する二人


片付けも終わり ピットを閉じて 白子の民宿へ移動となり 皆で移動するはずが

マッシモがライダーと一緒がいい と68のトランポに乗ってしまう


となると ジョルジェットも38のトランポに乗るというワガママ炸裂

トランポの二人に迷惑かけると謝るしか無い 謝って白子へ向かう


スキー宿の温泉浴衣は着慣れてるが、海辺の民宿は初めて

人数が居るので船で出してくれてるので これで違うスイッチがオンな二人

やっぱり 欧州人で 刺し身の舟盛りとかは興奮するらしい


頭があるとか、ツマの大根が網だとか もう一個づつ大興奮

何時もなら酒を要求するのに、それも忘れて食事で終わる


もうチームに申し訳ない状態


寝る前に聞こえるからHはするなと厳重に言い渡し 風呂に入って就寝


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先日 コース解説見てたら まっちゃんがヘアピン後の

登りきった後のスプーンへ向けての下り ってあったのですが


作者達の間では ヘアピン後の登りをまっちゃんと呼んでました

バイク走行なのに何故か居る四輪とか 曰く付きの登り

ヘアピン後で速く開けたい ヨーが残ってる 登り 幽霊は出る 四重苦

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