第20話 『 LOVE YOU!』
20.
" 女ともだち Girl Friend 2 "
「亀卦川くんっ、次回からお弁当持ってきてあげるわよ。
あぁ、気にしないで自分のを作るついでだから。
毎回お店選んで行くのも大変でしょ?」
「サンキュー、うれしいなぁ」
俺は思い切りの笑顔で彼女に声を掛け、姿勢を正して颯爽と
部屋を出た。
家庭的な女性なんだろうな、とは思ってたけどやっぱり家庭的な
人だったようで。
お弁当か・・本当に作ってくれるなら助かると思った。
なんか彼女見てると絶対おいしい弁当だって気がしたからね。
モデルの仕事は、毎日という訳ではなくて俺の場合は週に3日から4日といったところだろうか。
たまにチラシの仕事も入ったりして、ちょこちょこ続けて顔出しする
こともあるけども。
雑誌だと、毎日仕事にはならないし。
大口の仕事が入ってくれると、間隔をあけての定期的な年単位の
ものになって、仕事に取られる時間の割に実入りが大きいし、
20-2.
ガキさんは次の仕事から本当に弁当を差し入れてくれるようになった。
毎回は悪いから、たまにで良いよって言おうと思ってたんだけど
余りの美味しさに胃袋を掴まれてしまい、言いそびれてしまった。
3回目あたりで彼女のボランティア精神が本物だと思ったので
食材の費用を受け取ってもらうことで、これからも作ってもらう
運びとなった。
彼女が独身だっていうのは知ってたので、何度かに一度は
弁当を食べ終えた後でお茶に誘ったりした。
ちょうどよかったんだ。
満腹ですぐに帰宅するのも億劫で、間にお茶の時間を入れて
まったりするという行為が必要だったし、ガキさんへの少しばかりの
お礼もできるし、話相手もできるしで、この時の俺にとって差し入れ弁当、ガキさんとの会話、まったりとお茶・・この三種のイベントは、俺に
大いなる癒しを与えてくれたんだよな。
だけど、まさかまさか、セフレじゃないけど・・割り切った大人の関係にガキさんとなるなんて、予想外のことだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます