第24話 虫ゲロ障(仮)無人島編2日目その2

「これより、第一回チーム別無人島レースを開始する!!」

「「「無人島レース?」」」


3人は息をそろえてそう言った。


「おいゲロ男、その無人島レースとはどう言う物なんだ?と言うか急にどうした、今日は普通に遊ぶ日じゃなかったのか?」

「いや、何か動画にする時のこと考えたら、2日目遊んだだけだとちょっと薄いなって感じて、そしたらこれを思いついた」


2日目が薄いと聞き、各々がアクトの言う事に確かになと思ったが、それと同時に結局無人島レースとは何かを教えてもらえてない為、そちらの方が気になっていた。


「それは分かりました。それで結局アクトさんの言う、第一回チーム別無人島レースとは、どう言う物なのでしょうか?それと危険性などは大丈夫なのでしょうか?」

「危険とかはないからその辺は安心しろ。それでルールだが、まず適当に二人一組に分かれ、そして一人が折り返し地点である、俺が見つけた湧水の地点で待機して、もう1人がそこまで向かうってわけだ。そして帰りは二人揃って、ここに先に戻ってきチームの勝ちって事でどうだ?」


一応ルールがわかったのだが、本当に危険がないかわからない為、監督は答えを言い渋っていた。


「ああ、もちろんそこまでの道はちゃんと案内するから、その途中でダメそうなら辞めるのでどうだ?」

「まぁ、それなら」


アクトの言う通り、危険が有ればその場で中止すればいいので、実際2日目にまだ取れ高というものもなかった為、今のところはokを出した。


そうして、アクトから湧水地点までの道を案内されている途中、少し危ない場所があればそこを指摘すると、アクトはその都度周りを見渡して、すぐに別の安全な道を見つけて進んでいった結果。


「まぁ、これなら大丈夫でしょう。ですが、このままだとただのかけっこになってしまうので、もし宜しければなのですが、コースの途中途中に何かミニゲーム的なものを、用意するのはどうでしょうか」

「ミニゲームか……例えばだが、監督はどんなゲームを考えているんだ?」

「そうですね。私はクイズなんかはいいのではないかと考えてますね。それなら移動に肉体を使い、ミニゲームで頭を使う感じになって、ちょうどいいと思うのですが、どうでしょうか?」

「なるほど、クイズか……」


そう言って少し考えた後、アクトは監督のその意見を了承して、その後はスタッフさんに問題政策を頼み、その間アクト達は道に迷わない為にレースをする為の道に、目印をつけていった。


そして準備が完了し、あとはチーム分けと言うところで、アクトがチーム分けをどうするかと質問すると、冠は監督の隣へと向かった。


「チームは私達大人チームと、ゲロ男とネガちゃんの子供チームでいいんじゃないかしら?能力的にもこれがちょうどいい感じがするのだけど、何か異論はあるかしら」

「いや、俺も正直その組み合わせしかないと思ってたから、異論はないぞ」

「ワ…私も大丈夫です」

「私も異論ありません」

「それじゃあチームからどっちが折り返し地点にいるか決めたら、その二人は先に向かってくれ。それじゃあ一旦解散!」


そう言うとアクト達子供チームと、冠達の大人チームは別れ、作戦会議を始めた。


子供チームは折り返し地に行くのはもちろんネガで、今回はみんなで遊ぶ為のゲームの為アクトがネガを担ぐ行為は禁止にしたので、どうやってネガを移動させるかについてを二人で話し合い。


大人チームは折り返し地点に行くのを、冠にしたらしく。こちらは運動神経ではアクトに勝てない事はわかっているので、まだ勝てるかもしれない知識面で有利を取る為に、走るのは監督が担当する事になった。そして大人チームは、どれだけ行きでアクトに離されないかが重要になるので、監督がストレッチを開始した。


そして、折り返し地点に向かう二人は、手を繋ぎながら体力を温存する為、湧水の出る岩までは歩いて行った。


そしてそれから10分経ち、折り返し地点に着いたと連絡が来たので、アクトと監督はお互いスタート地点に立った。


「いやー、まさか俺の相手は監督がするとはな。けど監督は歳なんだろ?その辺大丈夫か?もし頭を下げて懇願するなら、少しぐらいは手加減をしてやってもいいが、どうする?」

「ふっ、あまり私を舐めない方がいいですよアクトさん。実は私こう見えて高校時代は陸上部に入っていてねぇ、100メートルだって13秒で走り切っていたんだよ」

「監督!それは……!!遅くないか?確か俺高校の時100メートル11秒台だったぞ?」

「いや、それは単にアクトさんが速いだけかと……。まぁ、だとしてもそれはそこまで関係ありません。何故なら私達のチームは、頭脳面で戦いを挑むのですから」


そう言いながら監督は、若干カッコつけながら自分の頭を人差し指でコツコツと突いた。


「へぇ、監督って頭良かったんだな」

「ええ、これでも私東京の某有名大学出身ですから」

「そうだったのか、俺は基本勉強とかやらないタイプだったから、大学も家の近所のところに行ったから、その点は負けたかもしれんが、それでも俺もそこそこ頭いいけど大丈夫か?」

「ええ問題ありませんよ。まぁ、ですが念のため確認しますが、アクトさんって実際どのぐらい頭いいんですか?」

「まぁ、俺の大学がどの程度の学校かわからんから比較は難しいが、そこの入試はノー勉で主席になる程度だな。」

「へー……そっかぁ……ふーん……うーん……すごいね、うん」


監督は東京の某大学の入学が1番簡単な学部をギリギリ補欠合格したたちで、まさかアクトが自分の思っていたよりも頭が良く。もしかしたら当時の自分よりも頭がいいのでは?と言う考えが一瞬頭に浮かび、心の中で冠に謝罪した。


すみません冠さん、もしかしたら私達のチームボロ負けするかもしれません。で、でも聞いてください!いつものアクトさんの行動を見てください、そんなに頭良さそうに見えませんよね、もうこんなのほぼ詐欺ですよ詐欺!ですので、もし私が運動能力と学力でアクトさんに負けてたとしても、許してください!私もアクトさんに騙された被害者なんです!


内心で言い訳をしまくっている監督だったが、それもスタッフがレース開始の合図をした事により、無理矢理打ち切らざるを得なかった。


と言うか、そんな辺なことを考えていたせいで、監督は普通にスタートが遅れた。

そして更には、元陸上部だと言っていた監督だったが、あの記録も綺麗に整備されたトラックの上をスパイクを履いて出した結果だったので、更にはこんな山道なんかを走ったことのない監督は、途中足が木の根に引っかかって転けそうになりながらも、アクトの後ろを追うが、アクトはそんな悪路を何のそのと、普通の道を走るかのようにどんどん先へと走っていき、走り始めて約30秒、監督の視界のアクトの姿が米粒並みの大きさになっていた。


監督をその脚力で置き去りにしたアクトが、第一のミニゲームエリアに入り、問題用紙をスタッフから受け取った。

その内容は日本地図の問題らしく、それを全て埋めて半分以上が正解ならそのままスタートで、もし間違っていたなら、この場で50回スクワットをした後、走り出すようだった。


そしてアクトが問題用紙に答えを書いていると、監督も追いつき、同じ問題用紙をスタッフから貰い、解き始めたが、それとほぼ同時刻にアクトは全ての都道府県を書き終え、スタッフに採点をしてもらったところ、満点で第一のエリアを突破した。


その後に続くように、監督も問題を解き終え47点中39点と言うなんとも反応しにくい点数で合格した。


そして急いでアクトの後を追うが、監督の視線の先には既にアクトの姿は無かった。


アクトはアクトで、監督が危険だからと言って、別の道を見つけたにもかかわらず、一度来た時同様に木を伝って、3メートルちょっとの崖を飛び越えたりと、僅かな差ながらショートカットできるところは、その持ち前の身体能力を活かし突破し、次のエリアに監督をぶっちぎって到着した。


そこでは、英語の翻訳問題だったが、アクトはアメリカ圏にも知り合いがいる為、普通に英語の読み書きができるので、ここも満点で速攻で抜けていった。

遅れて着いた監督も少し悩んだ末に正解して、アクトの後を追うのだが、監督が第二エリアを出発した頃に、アクトは最終エリアについており、元々はそこでは、高校の数学の問題を出題する予定だったのだが、今までの問題を全問正解、それも全て速攻で答え、更にはそれをやったのがUPライブの問題児のアクトという事で、スタッフ達はアクトにどうにか間違えさせようと、ネットで某インターネットのを運営しているアメリカの企業の入社テスト用の過去問を調べ、そこの問題から特に難しそうなものを、問題用紙に書いていった。


流石にその問題は難しく、アクトも今までと違い、問題を見てすぐにペンを動かすのではなく、紙に色々と書いたりしながら考えていると、遅れて監督がやって来て、まさかここにアクトが居るとは思っていなかったのか、少し驚いた後すぐにスタッフから問題用紙をもらい、その問題を見て監督は完全に停止した。


そこから10分ほど立った頃、アクトは問題を解き終えそれをスタッフに確認してもらうと、しっかりと途中の考え方まで合っており、全問正解で最後のエリアを越えることができた。


そして、監督は一問目で詰まっていた。


「監督それめちゃくちゃ難しいから頑張れよ」


アクトは流石の難易度だったので、対戦相手である監督を応援しながらも、ここで監督にヒントを与える事はなく、そのまま先を急いだ。


そうして、ネガを迎えに折り返し地点まで走っていると、何故かその疲れのせいか死にかけの顔をしたネガと、冠にカメラマンがこちらに全速力で走って来た。


「おい、お前らがなんでこっちに走って来てんだよ?」

「今はそんなことどうでもいいから、あんたも早く逃げなさい!」


何から?そう思い冠達が逃げる相手を確認するとそこには、目算だが体長2メートルはあり、焦げ茶色の硬い毛に覆われた獣、森のクマさんが可愛らしくその大きな口から涎を垂らしながら、こちらに四足歩行で走って来ていたのだった。


「wow !that's a bear!」


ーーあとがきーー


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