復讐の方向転換、クソ親父を生かして苦しめる
第9話・青の報復
一年かけて殺害する道具を集めても、気持ちは晴れなかった。
ある日、考え方を変えた。
(短絡的に人を殺しても、一時的に気持ちが晴れるだけで……殺害後はデメリットしかない、人生が終わるデメリットしかない……それよりもクソ親父は、生かして苦しめ続けた方が)
私は生かして苦しめる計画を実行に移した。
2017年12月31日〔大晦日〕夜、クソ親父が寝静まった時刻──クソ親父がいつも座って食事をしている食卓の場所に買い集めて用意しておいた、クソ親父〔ワタル〕専用の食器や箸を配置した。
正月からは、これで食えと……用意したのは「青い食器」この日から私の〝青の報復〟がはじまった。
青い色の効果『鎮静』『食欲減退』見続けると『ウツになる』
次第にクソ親父の口数が少なくなった。
そして、数ヶ月後に青の効果が現れた。
クソ親父が運転する車が事故った、事故と言っても縁石にタイヤが乗り上げた程度の事故だったが、母親から聞いた事故後の顛末が警察が来ても、ガンとして車から降りようとしなかったらしい……降りなければ、事故が無かったコトにできるとでも、思ったのか?
偉そうなコトを言っていても。その程度の小心な男だったと、初めて知った。
それから、しばらくしてクソ親父は運転免許を返還して、一気に老け込んだ。
2020年のコロナバンデミックで、他者との会話が減ってから。
壊れたラジオのように、バカみたいにペチャクチャしゃべる機会が無くなった──クソ親父の老け込みは、さらに加速した。
今は、クソ親父の食器は青、履き物も青。
ついでに、くたびれた白いブリーフのクソ親父に、青いボクサーパンツ買って先日めぐんでやった。
アメコミヒーローみたいな、青いパンツをクソ親父が穿いていると想像すると笑える。
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