第22話

「ええい、あの二人はなにをやっておるのか!!」

 織女の父は怒り、織女を自分の元に連れ戻すことにしました。

「カササギよ! あの二人に、会うのは七日に一度と伝えて織女を連れ戻せ!」

 カササギはすぐさま二人の元へ行き、伝えました。

「あなた達が会うのは……年に七月七日の一度、だけとあの方が決められま、ました」

カササギは言葉が上手く話せないため誤ったことを二人に伝えました。

 織女ははらはらと泣きました。

 牽牛は彼女を抱きしめました。

 二人はまた働くようになり、一年に一度七夕の夜にカササギの羽で天の川に橋を架けて、再会を喜ぶのでした。

 なぜ、カササギの羽で橋を作るのかとゆうと、二人に誤ったことを伝えた償いからです。

 そして、二人は織り姫と彦星と呼ばれるようになりました。

「そんで笹に願いを書いた短冊ってやつを吊すんだ」

「ふーん」

「ようし、明日にでも笹と短冊買ってくるか」

 次の日になり、かずき、陽太は小さい笹と短冊を買ってきた。

「願いごと書いてみ」

 黄色い紙をかずきは陽太に手渡す。

「特にないよ」

「俺もだな」

 健康

 おいしいものをたべたい

「なんだこれ」

「志乃も呼んであげようよ」

 連絡するとちょうど非番のようだった。

もしもし、かずきです

 あ、かずき君? どうしたの? そういえば今日七夕だね、まさか……

 そう、そのまさかなんです

 え? ほんとうに? ちょうど暇しててさ

 よかったら、短冊買ってきたんで願い事書きに来ませんか

 嫌だよ

 嘘ですよねそれ

 そんなわけないでしょ

「お願いかあ」

 さらさらと綺麗な文字でのんびりしたいと志乃は書いた。

「なんか三人ともパッとしないなあ」

 短冊を見ながらかずきは微妙な顔つきをする。

「いいんじゃない? こんなもんでしょ」志乃は畳に正座して、そう言った。

窓の辺りに飾る笹の葉に短冊を結び付けた。

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