第6話 This is not the beginning.けれど、この物語の起点
そんな! これで本当に終わりなの! この少年の言いなりを、今全部受け入れたところで、いつか
お願い、神様がいるのなら!! 本当に二人が言ってる
お願い!!
けれど、
それでも必死に、その
「ひいぃぃぃぃぃぃ!!! ぐ、来るなあ!!!! あぐまめええええ!!! わたしは! わたしはかみの子だああ!! 神のお!!!!! 貴様
――神様!――
願う
全てがただ、目の前から消えていくのを見てることしか出来なかった。誰も、誰一人助けられなかった。
あたしが出来ることは。
あたしが出来ることは。
あたしが出来ることは。
――神様!――
あたしに出来ることは。
あたしに出来ることは。
あたしに出来ることは。
――神様!――
あたしにしか出来ないことは。
あたしにしか出来ないことは。
あたしにしか出来ないことは。
――神様!――
「ごめんな」
そんな言葉が聞きたい訳じゃない。
あたしが勇気を振り
あたしがここにいる理由が、きっとある
あたしにしか出来ないことが、きっとある
あたしがここにいる理由だって、きっときっとある
「さあ!!! もう殺(や)っちゃいなよ!!
少年が絶叫した。
――ただ
――
――もう二度とこの手で
――そして――
――何もかもが――
――終わろうとしていたあの日々の中で――
――けれど――
おとうさんもおかあさんも……どうしてけんかばかりなの……
ねえどうしておかあさんはいつもみえないかみさまとばっかりおはなししてるの……
ねえ……ねえあたしと……あたしとあそんでよ……どうして……
ねえ、どうして。
……?
あなたはだあれ?
ねえ? あたしとあそぼ。
――光が。
『お前は本当に家族想いだな……お前には“私が与えた力を取り消せる力”をあげよう……遊ぼうって言ってくれたのは、そうだな、お前が初めてだ……』
『そう……なんだ……じゃあ……ねえいっしょにあそぼ』
そうだ……そうだったんだ……あれは……あれは夢でも、
「神様が……! そうだ、あの時……あれは……あれが本当に神様だったのなら!!」
運命は、決して
「何だ! どうしたんだ
「……神様だって?
少年の明らかな
「
「ぐあああああっ!!」
「何だ!? 何を!!」
「俺にもまだ出来ることが!!」
左手の先におびただしく
「こ、こんなの
少年が叫んで、――ゴトン!―― 刃物がその手から滑り落ち、
「め、目がああああっっ!!! ち、ちくしょう!! こんなことって!! こ、こんなの
その両目に
「こ、こんな! こんなことでこの僕が!!」
分かってる!! あなただってあたしだって!!
「そうよ……神様から見れば、あたし達の世界なんて
「何だってんだ!
「神様が『一緒に遊ぼうと思ったんだ、こんなことになって……ごめんね』って言ってたから!」
「そんな馬鹿な!! 違う!! 僕こそ選ばれたんだ!!
そんなこと関係無かったんだ……! たった、あたしは家族と一緒にいられますようにって、家族がずっとこれからも一緒にいられますようにって!! それだけ思ってたから!!! それだけで、そういうことだけでいいんだって!
その小さな足や手で
「それを離せ! 離すんだ!! お茶
「駄目だ!!
「だめ!!! あなたも、もう元に戻らなくちゃ!! あなただって本当はただの
「嫌だ嫌だいやだいやだいやだ!!! ただの
どうやったらいいのかなんててんで分からなかったけれど、
その右目に小さく……けれどはっきりと
「あたしの目を見て」
「何だ……!? い、嫌だ! なにする気だ……!! そんな馬鹿な!! 神様から
「安心して
さっきまでの両手足の抵抗は
「
流れる血に汚れた足を引き
「何とかな……そいつが言った様に、
そうなんだ……本当に良かった……本当に、本当に
「これ位の傷で死んでるたまるかよ。プー〇ンやラスプーチ〇とも戦ったことがあるってのに」
こんな状況やあんな状況なのにそのネタは×××!! はい終わりもう終わり全部終わり!! このИдиот(ロシア語)!! じゃああんたがアレとかアレとか止めなさいよおおおお!!!!
轟音どおおおおおおおおおおおおんんんんん爆音!!!!!!
ずどおおおおおおん
爆音ごおおおおおおおおおおおおおお轟音
「何だ!?」
何の音!? あたしは必死で少年を
「し、知らない分からない! 私はただ今日ここに立ち寄って
すっかり、
「た、大変です!
突如として向こう側、非常階段があると
「な、何だと!? そんな馬鹿な!! ここは仮にも健康器具販売メーカーの
ああ……まあ分かりきってたけれど、今頃になってここがそういう目的が“主体”だったってのは認めるのね……何かこれって録音とかしといた方がいいんじゃ、って流石にこの
「
「“これで終わらない”……そう言ってた
そんな……だけど、もう……。
「こいつの力はもう、
どおおおおおおおおんんん!!!!
そうこうしてる今だってまた爆発音が! 考えてる
「ここに上がってきたエレベーターは?」
「駄目です…‥ボタンすら
まだ残ってた女性信者の一人が、この絶体絶命の状況確認を終えてへたりこんだ。
「電力供給が無くなったってこと?
薄暗いこの部屋の壁を
「
「非常階段の方は?」
「無理です! 下に降りられなくなってここに上がってきたんです!」
そうなると、本当に
「そ、そうだ!! 隠し通路がある!!」
「何だ? お前まさか」
「や、やめてくれ! そ、そうだ……
目の前の
……
「考えてる
眠りこける少年を背中に
「こ、こっちだ!」
その声で
「「祭壇って!(こんな近いんかい! ってみんなの思いが)」」
この全員の心が一つになった奇跡の瞬間が、ほぼほぼ世界中の
「少年は、あくまで
「だからインチキではないし、
両手をグルグル振り回しながら顔を真っ赤にしてる
「お前が作ったのは、
「いたあああい!!!」
あ……もう
「結局
「いや、普通にこうしてここを押したらカチって鳴って開いて中にレバーがあるからそれを引く」
手慣れた早口の棒読み感が
「これは、どこに続いてるんだ?」
片足の
「下のフロアだ。各階に他の場所とは
……
「今の所問題は無さそうだな。よし、宙に浮ける力なら何かあっても何とかなるだろう。田中二権郎、お前が先頭だ」
階下を覗き込んだ
「いやいや! 私のちょっと浮けるだけの力なんて、もしかしてのバックドラフトなんかあったらもうそれこそ
「知ってるか? しょっちゅうそこらで見掛ける働きアリは、全員(蟻)
ここに来て何の話なんだか……背中のこの子はまだ眠ってるし大丈夫。信者の人があたしの
「分かりました。私が付いていきますから」
って、中年の女性信者の人が
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