第27話 銀河連邦クレジットと、18歳
Side:スパロ
孤児が来た。
ベルベルは妹と弟が出来て嬉しそう。
それと国は経済支援を寄越せと言ってきた。
国は当たり障りのない事から受け入れるようだ。
村の人も孤児が来たのは嬉しそうだ。
言葉に出して言わないが飢餓で沢山亡くなったらしい。
孤児の何人かは村人が養子にすると言っていた。
『銀河連邦クレジットだよ』
ゴーレムの頭から実が生って、割るとカードが沢山出てくる。
「カードがお金? 変なの」
『厳密にはお金じゃないんだ。カードにはIDが入ってて、俺がホストコンピューターとなって一元管理してる。説明はめんどくさいから省くけど』
「うん、わかんないや。この金で何が買えるの?」
『精霊の世界で買い物が出来る。あとアトラクションが楽しめる』
「それだけ?」
『まあね。そのうち銅貨を作って、銀河連邦クレジットに何時でも替えられるようにするつもり』
「銅貨なら、街で買い物ができるね」
『期待しないで、待っててよ』
国の役人はカードを持って帰っていった。
『隣の村に精霊の畑を作りたい』
「いいんじゃない。食料を運ぶ手間がなくなって」
『隣の村ではモンスターは狩れるのか』
「攻撃の魔道具があるらしいから。狩れると思う。この村にもそれを使って行き来してるんだし」
『モンスターは駆逐したいな。女性でも気軽にこの村を訪れるようにしたい。ぐふふ』
「人さらいとか盗賊がいるから無理だと思うな」
『そうか。人を殺したら不味いよな』
「人さらいや盗賊は見つけ次第、殺すのが鉄則だけど」
『俺は駄目なんだ。禁止されている』
「精霊も大変なんだね」
『まあな』
精霊には精霊のルールがあるようだ。
悪人でも人を殺してはいけないなんて、さすが精霊だ。
「領主様」
孤児の子供達がやって来た。
「何だい?」
「精霊様に捧げもの」
孤児たちの手には石や雑草が握られていた。
「ナノも喜ぶと思うよ」
「うん」
孤児たちがそれらを畑に投げ込む。
瞬く間に消えて、植物が生えて、カードが実った。
カードを収穫して孤児に配る。
「これなあに?」
「精霊様のお礼だって」
「食べられないの」
悲しそうな孤児たちの目。
『分かったよ。大盤振る舞いだ』
四角い箱が畑から出てきた。
箱の周りには葉っぱと蔦が茂って絡みついている。
『スリットにカードを入れろ』
「スリットってこの差し込み口かな」
カードを入れると数字が表示された。
タッチして下さいとの文字に触れる。
「何にも起きないけど」
『欲しい品物を思い浮かべるんだ』
パンを思い浮かべる。
畑から植物が生えて、透明な膜に包まれたパンが実った。
数字が減る。
数字がある限りは品物が買えるんだな。
「凄い便利だ」
「私もやりたい」
スリットが孤児の身長に合わせた位置に出来た。
孤児がカードを差し込む。
文字に触ると、飴玉がやっぱり透明な膜に包まれて実った。
「食べていいの?」
「好きに食べると良いよ」
「わあっ」
「甘い」
「精霊様大好き」
ナノの姿が畑に現れる。
「たくさん食って早く大きくなれよ。具体的には18歳な」
「18歳だと何かあるのかな。ベルベルと聖女様は18歳になってないけど」
『ガーン。これは孔明の罠だ』
ナノが変なのは今に始まった事じゃない。
気にしないでおこう。
Side:ハイチック8000
わーい、孤児が来た。
オスガキは要らんと言いたいが、仕方ない。
銀河連邦クレジットは孤児に不人気だ。
食えないのが不満らしい。
食えるカードは作れるけども、そういう問題じゃない。
自販機を設置した。
物資の無駄遣いは避けたいが、孤児が食うぐらいは良いだろう。
一杯食って早く大きくなれよ。
ショック!
ベルベルちゃんとイユンティちゃんは18禁だ。
児童ポルノ禁止法に触れる。
エロ目的で使用が出来ないとは何たる孔明の罠。
結婚も18歳からだし、どうしてくれよう。
『村の娘は18歳以上だよね』
「そうだけど」
スパロの嬉しい答え。
やった村娘ちゃんならなんとかなる。
ベルベルちゃんとイユンティちゃんもあと数年経てば。
それまでに、じっくり好感度を上げていこう。
孤児の好感度は上がったみたいだしな。
自販機は隣の村にも設置するか。
お布施の量でクレジットをどれだけ与えるか決めておかないと。
お布施する前に自販機にカードを入れるのを習慣づけさせないといけないな。
マニュアルを作ってスパロに渡しておこう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます