※第4章第8話までを拝読してのレビューです
※最終話まで拝読したので、追記しました
幕末というと、新選組や坂本龍馬を題材にされた物語が多いかと思います。
こちらの作品は、藩主、更に言うと譜代大名という当時難しい立場に立たされた主と、彼を守り、彼のために動く人物の主従を中心に描かれたものとなっています。
茶などの産業への取り組みや民たちの不満。
攘夷を広めようとする者達と彼等の陰にいる者。
寺院の不穏な行動に加え、神道側でも暗躍する者が登場します。
既に薩摩や長州が動き出している中で、彼等がどう藩内を治め、次々と降りかかる問題に対処していくのか。
中途半端ではない歴史ものが読みたいという方、新しい視点から幕末を楽しみたいという方に、特にオススメの作品です。
こちらはシリーズものの1作ですが、この作品のみでも十分に楽しめるかと思います。
※追記
大政奉還前後、特に直前の動きは怒涛の展開です。
この話は羽代という藩の物語ですが、読みながら、他の藩はどうだったのだろうと思いを馳せてしまいます。
また、歴史ものでありながら、ミステリーでもありました。
読み終わった時、続編が気になっていることでしょう。