第181話 地獄が始まる
そしてガイウス陛下は自分の排泄物まみれになった俺を見ながら嬉しそうにそんな事を言うではないか。
これが本当に一国を治める者の言動なのかと思ってしまう。
それほどまでに今のガイウスはとても常人とは思えず、イカレた思考回路の持ち主としか思えない。
そんな奴が良く今まで帝国を運営してきたと思わざるをえない。
それだけの才能がこのガイウス陛下にあったという事なのであろうが、それにしてもガイウス陛下は狂っているとしか思えない。
「とりあえずこの汚物にはもう一回死んでもらおうと思うのだが、先ほどはブランシュによって絞殺されたわけで、今回は刺殺でもしてみようではないか。 さて、同じ『死』でもどちらの死がキツイとか、そこに差というものがあるのかどうか気になるな。 あぁ、カイザル様。 この俺に最高の能力を与えてくださり心の底から感謝いたしますっ!!」
そしてガイウス陛下は恍惚とした表情で腰に差している短剣を抜刀すると涎を垂らしながら俺の腹を踏みつけて逃げられないようにすると、その切っ先をなんの躊躇いもなく俺の上半身に突き刺して来る。
「あぐぅぅぅううっ!!」
「うーん、このまま何もせずゆっくりじっくりと殺すか、急所を避け何度も刺して殺すか、心臓を一突きして殺すか悩むな……。 まぁ、どうせ蘇生して全て試せばいいか……。 とりあえず今回は心臓を一突きでいこうかの」
「まったく、このゴミで遊ぶのは良いのじゃが、なんで我にその天使に成れる能力を渡さなかったのじゃ? 確かにサブミッションスキルは強力でこれだけでも国宝レベルである事は分かる。 そんなものを頂いておいて文句を言うのも我自身どうかと思うのじゃが、どう考えてもサブミッションスキルより今お主が行使している天使になれる能力の方が聖王である我に合った能力じゃろうてっ!!」
「それなんだが、コイツで遊んだ後俺を天使として行使して聖王国の悪を暴きに行かぬか? そうすればお主は『聖王だからこそ天使を行使できる』という風に周囲から思われるであろう。 それに、もし付き合ってくれるのならば『人の魂の穢れを見る事ができる』という能力を授けても良いぞ? まぁ、付き合わなかろうが俺はその能力を使って聖王国内を旅するつもりなんだがの」
「…………なんだか騙されているようじゃが、そのような能力は我の家臣を決めるのにもかなり役に立つ能力であろうから仕方なく頂いて一緒に旅をしてやろうかの」
「じゃぁ決まりだの」
この二人の会話の後、俺の地獄が始まるのであった。
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