第16話狂宴!鉄パイプ女開戦!

[chapter:15]


レヴィアタン女にぶっ飛ばされるも何とかヤンキー女の助力もあり命まではとられなかった鉄パイプ女

その後、ぶじガレキ女を見つけるがその見た目はどうもおかしく。さらに直後大きな音がして壁からジュエリーが溢れる!


「何だぁ?」

一命をとりとめて一息つく間もなく大きな音がしたかと思えば壁からジュエリーが流れ出す。

「鉄パイプさん!」

入口の方から大声でこちらを呼ぶ声。

「こっちまで走って!」

待たせておいたデカ男が体の全身を使って思い切り叫んでいた


その普通じゃない感じに嫌な予感を感じ取った俺は隣のヤンキー女に「行くぞ!」と言い入口の方に走り出した。カァン!キィン!その間にも壁からあふれたジュエリーが地面にぶつかりまくり、甲高い音を響かせる

「ねぇ!これって」

「ジュエリー男」

俺がそう言うとヤンキー女はやっぱりねとでも言いたげな顔で小さくハァとため息を吐いた

「でも何で?」

「そりぁあ、、、コレ目当てだろ」

脇に抱えた自分をガレキ女と名乗る変な黒塊をちらりと見せる


「ヤンキー!久しぶりだな。背も伸びて綺麗になった」

脇の黒塊がどこが口だか分からない見た目のくせにペラペラと喋る

「こう言ってるが?」

ヤンキー女の顔を見ると流石に困惑した様子で首をひねっていた


入口から飛び出すとデカ男が駆け寄ってきて

「鉄パイプさん!それにヤンキーさんも久しぶりですな」

と早急に作った笑顔を向けヤンキー女も

「えぇ、久しぶり」

と笑顔で返した

「ヤンキー!何だその男は、彼氏なのか?」

脇の黒塊がまた喋りだす


「なっ、何ですかな!?この黒いのは」

流石のデカ男もコレには驚きを隠せない

「、、、一応、ガレキ女かな?」

「こっ、コレがですかな!?」

ますます驚いた様子で黒塊を指さす


するとその時、ドカァァン!!廃ビルが大きく崩れる

「話は後、今は落ち着ける場所に移動しましょ」


「お待ちなさい、そこの方々」

空中から声がする

「おやおや、ジュエリー男」

そこにはキラッキラのジュエリーを巻き付けて鎧のようにした男が浮かんでいた


「失礼、実は私。その黒い塊に用がありましてね」

ジュエリー男は脇に抱えた自称ガレキ女を指さす


「お渡しいただければな、と」

そう言って3人の顔に目を向ける

「お渡しいただければって」

「いいんじゃないですか?こんな訳の分からないもの」

確かにコレが目的のガレキ女とは思い難い。オウムみたいに人の言葉をまねる新種の珍獣とでも思った方がいい位だ。


「ち、ちょっと待て」

黒塊が焦った様子で待ったをかける

「まさかすんなり渡すつもりじゃあるまいな?」

「まぁ、それを決めるのはヤンキー女さ」

ヤンキー女の顔色をうかがう


「、、、本当にガレキちゃんなの?」

先ほどまでガレキ女と呼んでいたのに、おそらく昔の呼び名であろうガレキちゃんに呼び方を変える

「!あぁ、本当だとも」

するとヤンキー女はうーんと唸って

「6歳の時にあげた誕生日プレゼント覚えてる?」

「ビーズ玉で作ったブレスレットだろ。2日でばらけちまったが」


するとまたうーんと唸って

「8歳の時に私が好きでよく食べてたもの」

「ラズベリーキャンディー!毎日狂ったように食ってたな」


すると今度は頭を抱えて考え出す

「、、、どうするんだ」

これ以上は待っても無意味だろうと答えを催促する、ヤンキー女はフゥと心を決めた様子で

「渡して。どちらにせよ今じゃジュエリー男には勝てないでしょ」

「ヤンキー、、、!」

黒塊の声から悔しさとしょうがないかという気持ちの2つが伝わってくる

しかしレヴィアタン女との戦闘でボロボロの私とガトリングガンを撃ち切ったヤンキー女。非戦闘員のデカ男じゃ、確かにジュエリー男は荷が重い


「お決まりでしょうか?」

宙のジュエリー男がそう言う

「あぁ、決まったぜ」

俺は脇に抱えた黒塊を前に差し出す


「ありがとうございます。ご協力感謝します」

俺の方にグニャグニャとした宝石の河がやって来て、黒塊を持っていこうとする。その瞬間


「、、、!クッソ!ヤンキーバカ女!いつか逆の立場になったてもう救ってやんないもんねー!!!!」

と大声で叫んだ


するとその言葉を聞いたヤンキー女がハッとした顔で

「ホントにガレキちゃんなの!?」

と呼びかけた、すると

「!あぁ、ホントにホントだとも」

「、、、!」

その返事を聞くとヤンキー女は大声で叫んだ

「鉄パイプ!その引き渡しやっぱ無し!」


俺はその言葉を聞くと即座に流れてきた宝石の河を鉄パイプで叩き切った。

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