第15話狂宴!鉄パイプ女敗北!

[chapter:14]


パシャ!パシャパシャ!

突如現れた大きな壺から出てきたレヴィアタン女、その体は水そのものがうねっているようであり

「チッ、クソがよ」

打撃攻撃メインの鉄パイプ女には非常に相性が悪かった


「ふふふ、無駄よ。水に打撃が効くとでも?」

「だぁ!やってらんねぇ!」

先ほどから何度も叩いているが一向にダメージは無い、おかげで鉄パイプ女のスタミナは限界にまで来ていた。


「あぁ、チクショウ。ボケナスがよぉ」

「それじゃあ、そろそろかしらね」

レヴィアタン女が宙をうねり鉄パイプ女に突撃してくる。それを「サッ!」辛うじて身を躱す。


「ほほほ、上手い上手い。けどこれは?」

レヴィアタン女の体からポツポツと水泡が溢れる。そこから徐々に水柱が立っていき、ドシャァ!噴水が弾けるかのように一気に水が噴き出した


「ゲッ!?」

噴き出した水のスピードは到底感じきれるものではなく、モロに食らってしまう鉄パイプ女。ただ水が当たっただけと侮るなかれ、その威力はまるで鉄の塊でもぶつけられたかのような衝撃であった。吹き飛ばされ地面に衝突する鉄パイプ女


「ははは!こんなものか鉄パイプ女!噂ほどにもない!」

レヴィアタン女は再び宙をうねり倒れている鉄パイプ女に近づく

「かつて戦争で多くの市民を守り、それを国の手柄とした。そう聞いていたのだけれどねぇ」

大きく息を吸い、わざとらしく大きな声で

「所詮噂は噂、たいしたことないわねぇ」

と言った


「随分と余裕じゃない」

後方の崩れた後から声がする。

「誰かしら?アナタ。半端な気持ちで首を突っ込まない方が」

「うるさい、黙れ」

その女は背からガトリングガンを取り出すと、途端に辺りには轟音と銃弾の雨が降り注いだ

「!?」


流石のレヴィアタン女も驚き、とぐろを巻いて頭を真ん中に押し込める

「貴様、何者だ?」

「ただのヤンキーよ、馬鹿が」

この声は銃弾の音にかき消され、レヴィアタン女の耳には届かなかった


「くっ、やりずらい」

体が水のレヴィアタン女に銃弾は効かない。しかし銃弾が水面に当たったことによるインパクトは受けるため、こうも銃弾をばらまかれると体をうまく動かせなかった。

「ふんっ、まぁいい。格付けは済んだからね」

そう言い残しレヴィアタン女はどこかえ浮き去っていった


「うーん」

「おい、起きなさいよ」

目が覚めるといつもの見知った顔が立っていた

「あん?ヤンキーなんでここにおるん?」

「流石にアンタに丸投げは気か引けたのよ」

スッとヤンキー女が差しだしてきた手を掴みヒョイと立ち上がる


「ほぉ、お前にそんな気概があったとは」

「あるわよ!なんだと思ってんのよ私のこと」

ヤンキー女の大声が傷口に響き、「いてて」と手で押さえる


「、、、アンタ、弱くなったわね」

「おいおい、ズバッと言うな」

「事実だもの」

近くの柱に背をもたれて話す


「、、、ピアス、返そうか?」

辺りの空気がピンッと張りつめてこわばる

「いや、いいよ」

首を振って断る

「でも」

「いいんだ、それ付ける位なら弱くていい」

地面に落ちていた鉄パイプを拾い、肩に担ぐ


「それより、ガレキ女だろ?」

服の汚れを掃い、話を変えるため元々の目的を言う

「、、、えぇ。そうね」

ヤンキー女もわかってくれたようでコクリと頷いてくれる、するとガサガサ、何かが揺れる音が聞こえ、その方に顔を向けてみると、小声で何やら聞こえてくる

「おいっ、もしかしてヤンキー女か?」

かすかに聞こえる声でそう言う

「!、えぇそうよ」

ヤンキー女がそう答えると、茂みからバァッ!と黒い影が飛び出す


「うおっ、何だこの黒い塊は」

飛び出してきたのは夜を丸めたみたいに黒い、謎の物体だった

「ヤンキー!私だ、ガレキ女だ」

「え?」

ヤンキー女の顔を見て言う

「おいおい、これがガレキ女なのか?」

焦った様子でブンブンと首を振るヤンキー女


「違うわよ!ガレキ女はむしろ白って感じの子で、、、」

「白?それってさっきの」


ドンッ!廃ビルの壁が大きく揺れる

「何だぁ?」

ドンッ!ドンッ!その揺れは大きくなっていき、そしてついに砕け落ち


空いた穴から無数のジュエリーが光る滝のように流れ出ていた。

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