スーパーシューター①
クレイトンの<湖面通り>は、多くの宿に酒場が集まる通りだ。
昼時にもなれば、その日最初の混雑ぶりを見せる。
<大崩壊>以降、ダフロイトの避難民受け入れで混乱ぶりに拍車がかかると、それに合わせ揉め事も多くなる。
着の身着のままで飛び出した多くのダフロイト避難民が持ち出せたものといえば、わずかな金品に
無事に到着できたのならまだ良いほうで辿り着く前に命を落とす者も少なからずいる。
その中には、親を亡くし路頭に迷った子供達もいる。そういった子供達はこの数日で手を取り合い避難民街の影に潜み、なんとか命を繋ぎとめた。彼らに手を差し伸べるのような酔狂な大人は避難民街にはいない。彼らに手を差し伸べる者がいるのであれば、それは人買いか、小児性愛者の貴族か、街のゴロツキ共だ。
レオンは、そんな子供達の中の一人だ。
クレイトンへ到着する前、野盗に襲われると父親は目の前で殺害され母親は行方不明となった。身を挺した両親のおかげでレオンは弟のカミルと共に命辛々逃げ出すことができた。野生の狼や山から迷い出た妖魔。そんなものから身を隠し、闇に紛れ、泥水を啜り、路傍の骸から食べられるものを見つければ弟に分け与えた。そうやってレオンとカミルはクレイトンに辿り着いたのだ。
レオンとカミルは「シェブロンズダイナー」の裏口が面した小道で膝を抱えて座っていた。客の残飯、まだ食べられるが廃棄しなければならない食材を貰うためだ。路地のもっと奥へ行くとシェブロンズより立派な飲食店の裏口が幾つかある。そちらは金もなく喰うに困った避難民や地元の浮浪者といった大人が牛耳っている。
つまり、縄張りというものが存在している。
下手に近づき縄張りを侵犯すれば例え子供であろうとコテンパンに「大人の洗礼」を受ける事となる。
横をみれば弟の向こうに小さな子供達が身を寄せ合い体を震わせている。この子たちは昨晩その縄張りに足を踏み入れ物乞いをすると大人達に囲まれ、あわやという所をレオンとカミルに助けられたのだ。そうして二人はコテンパンに「大人の洗礼」を受けた訳だ。
口元に痣を作ったレオンは十三歳。
左目を腫らしたカミルは十歳。
恐らく、震える子供達よりも幾つか上の二人は、誇り高き二人は、昨晩から子供達の守護者を買って出たのだ。だがしかし、無一文だったこともあり今は物乞いをし命を繋ぎ止めようとしている。
「兄上、なんだか店内が静かですね」、弟のカミルが云うとレオンは「確かに」と裏口の木扉に耳をあててみた。
「本当だ、先ほどまであれほど賑わっていたのに不思議だね」
レオンは、小道で膝を抱えたカミルに肩を竦めてみせた。
互いに寄り添った子供達は、それに少し騒ついた。ともすれば今晩の食糧も危ういということになる。子供たちにとっては死活問題だ。レオンはそんな彼らを一瞥し「大丈夫。心配しないで」と、昨晩ぶん殴られ真っ青になった口元へ手を当て小さく笑ってみせた。
「いてててと」声を漏らすレオンのその笑みには疲れが滲んだ。
「兄上やっぱり避難民街に——」ボソッとカミルは気丈な兄に云った。
「カミルそれは駄目だ。あの街の相談役という人は奴隷商人にこの子達をきっと売ってしまう。だから、それは駄目だ」
「ごめんなさい、そうでした」
カミルは存外に語気の強かったレオンの反応に肩を落としチラリと震えた子供達に目をやる。自分としたことが子供達を不安にさせてしまったのではないかと心配になったからだ。
※
確かに兄の云う通りなのだ。
この子達は自分達のように生きる術を持たない。
退役をしたとはいえ僕たちはダフロイト軍人を父に持つ家の子供。生きる術は父から嫌というほど叩き込まれた。
しかし目の前で震えて身を寄せ合う子供は違う。その子供達は強い風でも吹けば、どこかに飛ばされてしまいそうなほど儚い。
父は常々「弱きものには手を差し伸べよ」と僕たちに教え「それで裏切られたとしても決して腐るな」とも云った。随分と損な生き方なのではないかとは思ってはいるが、それでもそれが我が家の家訓だ。そう、それは兄の云うところの「我が家の矜持」だ。
※
「ごめんカミル、きつく云ってしまって」
「いいえ、大丈夫です。僕が間違っていました」
と、その時だ——バリン!
気を取り直し勢いよく立ち上がるカミルは店内から硝子が激しく割れる音を耳にした。
「兄上?」カミルがレオンに視線を絡ませる。
「皿が割れたにしては」とレオンは表通りに目を向け様子を伺うと「にしては、大きな音だね」と、目を細めた。
軽く木扉に手を当てて見るが、僅かに蝶番が軋むだけで扉は開かない。
内からカギがかかっているのだ。
「駄目だ開かない」
レオンは小さく首を振った。
もう一度小さな耳を木扉に当てて見る——店内の奥から小さく女の悲鳴がカサカサと聞こえた気がする。
「カミル、悲鳴だ」
「兄上」
「うん、何か中で起きているのかも知れない」
「どうしますか?」
「そうだね、カミルは表通りから店の様子を見てきてもらえるかな? なるべく普通に。子供が一人でフラフラしているのは怪しまれから気をつけて」
カミルは「分かりました」と両手で膝の上辺りを軽く叩き何かを呟いた。続いて何かを確かめるよう軽く飛び跳ね「いざとなったら屋根に逃げますよ」と、軽く頭上を指差してみせた。レオンは黙ってかぶりを振り、紺色のケープを翻し裏路地を走り去るカミルの姿を見送った。
「さてと。君たちはもう少し奥に隠れていてもらえるかな? うん? ああ、大丈夫。必ず戻るから心配しないで。僕らは、栄えあるレッドウッド家の魔術師。家名に誓って君たちの安全は補償するよ」
子供達にはもう
目の前で小さな杖を振るった小さな魔法使いの姿は子供達の英雄だった。
これは——レオンとカミルの正装。泥に塗れ汚れてしまっているけれども、彼らの誇りであり矜持の体現。
スラっとして見える黒い上着に黒いズボン。空色のシャツ。節くれた小さな杖。父親はまだ小さかったレオンとカミルへ魔術のケープと一緒にそれを渡してくれた。魔術師として認められた瞬間だった。フードを被らせてくれた父親はレッドウッドの象徴、柊のブローチで前開きを留めると「レッドウッドの誇りを」と祝福の言葉を贈ってくれたのだ。
カミルはケープを誇らしく翻すと木扉にむかった。
※
(兄上、解錠の術式を使うつもりかな? 急がないと)
通りに出る前、はたと止めると兄の事が気になると振り返ってみる。レオンが扉の前へかがむと小さく青い輝きが見えたのだ。カミルは、レオンの言いつけ通りひょいと表通りに躍り出ると何食わぬ顔でシェブロンズの前を横切った。するとどうだろう。大きな硝子窓の向こうは、そこはかとなく青なのか緑なのか曇っているように見える。そこには背を丸くした男が手元を赤く光らせフラフラと歩いている。その反対を見れば、ひょろっとした女が艶かしく歩いている。
フと正面入口の方を見てみれば、シェブロンズに入りきれなかったのか、小さな人だかりができていた。カミルは、やはり何食わぬ顔で人だかりの横をゆっくりと通り過ぎた。どうもシェブロンズの入口が閉ざされ、中に入れないようなのだ。
先ほどの硝子がけたたましく割れる音を耳にした人々はいよいよ「警備隊に云った方が良いんじゃないか?」などと、
(兄上、兄上。中でやっぱり何か起きています)
カミルはいざという時のために準備をした念話の術式を展開した。
(カミル、それで状況は?)
(はい兄上。えーっと)カミルは小さく跳ねながら店の中を覗き込む。
(中は何か青やら緑やらの霧で薄らと曇ってしまっていて)
(霧?)
(はい……おそらく緑の霧は魔導の痕跡かと思うのですが)
(っていうのは?)
(うん、あ、はい——多分)
(カミル、もう大人ぶらなくて良いんだよ? それで?)
(え、あ、うん。多分ね<致死の雲>だと思う)
(なるほど。お父様から聞いた事があるね)
(うん、それに青の霧は、これは——)
(多分、<コンディショナル・ブランチ>つまり、条件分岐だね。中の人は生きているのでしょ?)
(うん。にいちゃん、これって?)
(お父様に聞いた事があるね。顕現した魔導は魔術で制御することができるって。でもそれは<光の学徒>の秘術だから、アーティファクトでもなければ難しいはずなのだけれども。そっかさっき割れた音は、そうなのかも——)レオンはそう云うと(開いた、ちょっと待ってねカミル)と念話を送った。
カミルの想像通りレオンは<解錠の術式>で木扉を開け静かに店内に潜り込んだのだ。通りに様子を見にいけと云ったのは、カミルを遠ざけるためだったのだろう。その場にいれば、きっとカミルも一緒にいくと云い始めるからだ。
※
シェブロンズに潜り込んだレオンは身体を低く薄暗い厨房を進む。そしてまもなくホールへ通ずる両開きの扉に貼りついた。中を覗いてみれば、何人かの客がテーブルに突っ伏しており、そのうちの一組は女が大量の血を流し——恐らく絶命している。
(これは酷い)
レオンは幼い顔を
(本当だ——これは)と小さく術式を展開しカミルと同じ深い緑の瞳を青く光らせる。
(致死の雲? もっと魔導のことも勉強しておけばよかった——いや、仮死の雲か。それなら、術式を打ち消せれば良いのだけど——「条件」が分からないと……あ!)
※
「ちょっと待て、そこの黒髪! そうだお前だ!」
扉の近くへ立った蛇面の男は、そう叫ぶと大股でレオンから遠かった。左を見れば魔導師らしき男が中腰になり今にも飛び出しそうだ。緊張の糸がピンとその男と魔導師の間に張られる。
「条件」が分からない今、それだけを打ち消しても、それ自体が条件で顕現した魔導が流れ込んでしまうかも知れない。
レオンは迷った。打ち消すだけなら直ぐにでもできる。すると、腰を浮かせた魔導師の反対の男が身を乗り出し「あんた、やめときな。あいつらに変な気を起こすと死んじまうぞ」と小声で制したのだ。
(敵意? 害意とか殺意の類だね。単純な条件でよかった、これなら——)
レオンはゆっくりと気が付かれないよう扉をくぐった。突然の侵入者に気づいた客へ人差し指を立て、片目を瞑って前へ進む。そして魔導師の横まで進むと「魔導師さん魔導師さん、僕が術式を打ち消します。あとはなんとかできますか? 例えばその懐のアーティファクトで」と、極々小さな声で訊ねたのだ。
レオンの<魔力探知>は魔導師の懐に潜む
※
キュルビスが魔術師の白いローブを胸元から切り裂く。
それを目にしたアッシュは少しばかり息苦しさを覚えた。少なからず蛇面へ敵意を覚えたのだ。しかしそれには構わず腰を浮かせ今にも飛び出そうとしたのだ。すると、するりと脚元に這い寄ってきた影に気がついた。それは小さな子供だった。
何故こんなところに子供が?
彼はアッシュへ「術式を打ち消すからあとはなんとかできるか?」と訊ね、節くれた杖を見せた。この子は魔術師なのだ。アッシュが思った通りなのだろう。この緑の霧の波動はアオイドスから教わった<仮死の雲>だ。<致死の雲>であれば、恐らくあたり一面、血の海になっている筈だ。それならば……。
「わかった——でも緑のこの霧は……」
アッシュは小さく、かぶりを縦に振った。幾許かアッシュのフードがズレると黒髪黒瞳が露わになった。すると何故だろう。小さな魔術師は息を呑むように声を詰まらせた。何か幽霊でも見たような様子なのだ。しかし、小さな魔術師はかぶりを軽く振り気を取り直す。
「ああ——ごめんなさい、知っている人に似ているなと。ええ、はい。これは<仮死の雲>です」
魔術師の表情が一変した。先ほどの驚きの顔はもうそこにはなかった。そして目を鋭く細めると杖を構えると小さく息を吸い込み緊張の糸を手繰り寄せた。
「行きます」と小さく囁いた。
「お願いします」
雲の仕業なのか多少足元がふらつくが問題はなかった。アッシュは魔術師に応えると狩猟短剣を構え、スッと息を吸い込んだ。
※
(ちょっとちょっとちょっと、あの魔導師、何、勘違いしてるのよ!)
キュルビスの生臭い蛇面がレジーヌの首元に這い寄る。
気味の悪い赤い下がチロリと覗くとレジーヌは目を瞑った。その間際、視界へ飛び込んだ魔導師の姿。それにしこたま文句を心で叫んだレジーヌは、とうとう傍にかけていた革鞄に手を伸ばし杖を手にしようとした。あの魔導師が間抜けなことをすれば、一瞬の隙ができるかも知れない。その際にこの蛇面をどうにかできるはずだ。
(もう、何この蛇男、本当気色悪い)
目を瞑り悪態をついたその時だった——パン!
手を大きく叩く音が聞こえたのだった。瞬く間に強く輝く青い光が店内を埋め尽くし、続いて、バン! と今度は机を叩く音がする。するとどうだろう店内を満たした薄っすらとした霧が先ほどの魔導師の方へ急激に滝のように吸い寄せられたのだ。
ビシャ! ——今度はレジーヌの顔へ生暖かい何かが勢いよくぶちまけられた。瞼を閉じたままでは仔細は知り得ない。でも、一泊おいて鼻をつく生臭さ。それはきっと蛇面か間抜けな魔導師の血なのだろう。
そして降ってきた声は蛇面の気色悪いそれではなかった。
「大丈夫ですか!?」
※
アッシュは小さな魔術師の<術式解体>が展開されるのを合図に、予め準備をした<言の音>を口早に唄ったのだ。
するとどうだろう。テーブルの真上に小さく黒く渦巻く穴が生まれたのだ。穴は急激に渦を強めると周囲に漂った霧を濁流のように吸い込み始めた。本来であれば格闘戦で、この魔導は力を発揮する。相手の虚を突き間合いに引き込むものだ。アッシュはそれを応用し今は霧の吸引をおこなった。吸い込まれた霧がどこに行くか? それはわからないが、これで解体された術式の効果を再び喰らわないで済む。
「みなさん息を止めて!」と叫ぶとアッシュは稲妻の速さで走り出した。そして長椅子に足をかけ跳び上がるとキュルビスの首を斬り落としたのだ。それはまさに刹那の出来事であった。首を斬り落とされたキュルビスでさえも転がる自分のかぶりを見なければ、そうとは気がつきそうにもない。尤もそれを見ることは、まずないのだが。
アッシュはその勢いのままテーブルの上に乗るとハーゼを視界にとらえた。
一瞬の出来事にハーゼはキュルビスの首が落とされるのを呆然と眺めると、バチン! と足下で青い炎が爆ぜた。そしてフと顔を上げると視界へ躍り出てきた——魔術師が杖を振るって次の術式を展開する姿が見えたのだ。初撃の<魔術の矢>は、その魔術師の仕業だろう。敵は二人。ハーゼにとってはいずれの敵も相性が悪い。
「魔導師さん!」
「はい! 魔術師さん!」
「ま……魔術師さんって。レオン・レッドウッドです!」
「あ、はい! レオン」
「援護します、行けますか!?」
「多分!」
レオンはアッシュの答えを待たず術式を連続展開するとハーゼの脚を撃ち抜く青い閃光を幾つも撃ち放った。相性の悪さに方針を変えたハーゼは逃げることだけを考えた。だからレオンの放った魔力の矢はことごとく避けることができた。しかし、身体強化を図った魔導師が今にも斬りかかってこようとしている。そうなってしまっては逃げることもままならないだろう。
「クソッタレ!」
状況の悪さへ呪いの言葉を吐き捨てたハーゼは小窓が並ぶ壁面のテーブルへ飛び乗る。逃げるのならばそれで良し。レオンは掲げた杖を降ろしたのだが、どうやら魔導師は、そうは考えなかったようだ。
アッシュは素早く魔導を纏うと息を小さく吸い込みテーブルから飛び降りていた。まるで稲妻のようにハーゼへ迫ったアッシュは一撃を浴びせるが、それは難なくいなされてしまった。
直線的な男は扱いやすいのよね。ハーゼはほくそ笑むと、いなした勢いで硝子をブチ破り通りに飛び出たのだ。
「な! 逃げた! お金!」叫んだのはアッシュだった。
見下ろすとレオンはアッシュを見上げ肩を竦めている。レジーヌはもたれかかった頭のないキュルビスの身体を足蹴にどかしていた。魔術師のあられもない姿はどうにも刺激的だったようで、肩を竦め大人ぶったレオンであったが、あわや乳房が見えてしまいそうな姿に顔を真っ赤にした。
その様子にアッシュは最初首を傾げたのだが、レオンのあやふやとした視線を追いかけハッとした。
「ごめんなさい、アオ、違っ、これ着ていてください!」レオンの赤面の
「え、え?」
レジーヌは最初その意図を計りかねたが、改めて自分の姿の酷さに気がつくと慌て外套で胸元を隠した。レオンは不自然な視線で顔を赤らめる。人が一人、頸を落とされているというのに(私のあられもない姿に赤顔する神経は図太いと云うのか——無神経とでもいうのか?)と、そんなことを思い、思わず苦笑をした。
「ちょっと待っていてください! お金取り返してきます!」
二人の心情は余所にアッシュは先ほどから、ハーゼの持ち去った金品袋が気になっていたようだ。誰に云うわけでもなく待っていてくれと云うとアッシュはハーゼが飛び出して行った小窓から同じく通りに躍り出た。
※
「あの魔導師さん、お知り合いなのですか?」
やっと彼女を直視できるようになったレオンはフードを払い除けながら、レジーヌの傍に立った。
「いいえ、全然」
そう答え長く艶やかな黒髪を掻き上げたレジーヌ。目の前の魔術師が気になったようで頭の先から爪の先まで繁々と見回した。すると「あなた何歳なの?」場違いな質問を投げかける。
「それ今関係あります? 十三歳ですけれども……」それに随分と不服そうな面持ちではあったがレオンは素直に答えた。
「そう、なら仕方ないわね」
「何がですか?」
「あなたも、あの人も。レディーの扱いがなってないわよ。って話」人を押し退け、倒し駆けていくハーゼを追いかける黒髪の魔導師をレジーヌはボンヤリと眺めながらそう答えた。
「僕も魔導師さんを追いかけます。カミル。キミは子供達と一緒にこの魔術師さんと待っていて」
レオンがそう云うと割れた窓の外からひょっこり顔を出したカミルが「はい!」と声をあげた。
(ちょっと子供のお守りまでさせる気?)レジーヌは、はぁと小さく溜息をついた。そして同じく割れた窓から出ていく小さな魔術師の背中を見送ると(わざわざそこから出なくてもいいでしょうに。なんで男の子ってああなのかしら)レジーヌはもう一度溜息をついた。
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