第22話 閑話 ルクスダンジョンの異変
◇
【ルクスダンジョン】
ルクセリアにあるダンジョン。通称『ルクスダンジョン』。
街から西方面に五キロほど離れた場所に遺跡のような外観で佇む。白亜の城のような色合。何処か神秘的な遺跡。
ダンジョン内に存在する『ダンジョンコア』から有する魔力の漏洩「魔素」が原因で魔物が生成され生まれるとも言われている。ダンジョン周辺でもその「魔素」が外に漏れ魔物の発生頻度が高くなるとか。
その調査をしている偵察隊。調査団体がある。ダンジョン内及び周辺を調査して問題がないか確認して【
「今回も安全重視で調査を始めよう」
『了解』
調査団体のリーダーの指示に返事を返す。
調査団体は白色の制服を着用している。自分達も「C」ランク以上の実力を持っているため不足の事態にも対応はできる。
調査団体は『ルクスダンジョン』についてまず二手に分かれる。
一つ、ダンジョン周辺の魔物の調査及びダンジョン入り口内で不審なものがないかの確認をする。
二つ、ダンジョン内又は周辺の「魔素」を『魔素感知器』という魔道具で調べる。
今回もいつものように『ルクスダンジョン』に赴き。調査団体のリーダーの指揮の元『ルクスダンジョン』の調査が行われ、平和が守られる…はずだった。
「り、リーダー。今回はやけに魔素の濃度が普段よりも高く。漏洩が多いような」
「確かに…」
調査団体のリーダーと数名の隊員が『魔素感知器』で調べていたところ一人の隊員が「魔素」の適正値を超えていることを確認。
調査団体のリーダーも確認して眉を顰める。
「魔素」の指数値はほとんどのダンジョンで「0〜50」前後とされている。『ルクスダンジョン』での指数値は「80」と適正値の「50」を「30」もオーバーしていた。
それももしこの指数値が「100」を超えるようだったら【
「――ダンジョン内及び周辺を調査しているメンバーが戻り次第速やかに撤退しよう」
自分達だけでは動けないと判断した調査団体のリーダーは周りの隊員に声をかける。
『わかりました!』
隊員達も命令に背くことなく「魔素」の調査をする片手間周りの様子も確認する。
「リーダー!! ダンジョン内に通常時と比べても異常なまでの魔物の群れを検知しました! 外周にはそれほど居ませんがこれはおかしいです!」
「調査ご苦労。魔物か。こちらも魔素の濃度がおかしく、異変を把握している」
調査から戻ってきた隊員達が脂汗を垂らして走ってくる。それを調査団体のリーダー達が迎え話を聞く。一人の調査員が前に出る。
「怪しい人物も見かけました。後はこちらを見て頂きたいのですか――」
「――これは…今の現状、我々個々の判断では難しいだろうな。一度帰って整理して上に報告しよう」
『了解!』
隊員の話を聞き。その隊員が見せてきたある物を見て調査団体のリーダーは危険を察知し、その場を後にする。
戻った調査団体は今回調べた内容を街長とギルド長に連絡。その場に居合わせた「聖女」達も入れて話し合った結果。
・『ルクスダンジョン』及びその周辺には冒険者等を立ち入り禁止。
・混乱させてしまうため街の住民達には通達なし。
・冒険者を集めて会議。
ボールスの知らないところで何かが起こり始めていた。
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