アイドルになった幼なじみが俺のことを好きすぎて大炎上！ ひたすら迫られまくるエキセントリックな生活が始まったのだった。

第79話「妄想暴走大喜利コーナー」

「それじゃ、次のコーナー！　みんな大好き大喜利だよーーー！」

　本当にこの番組はどこへ行こうとしてるんだろうな……。

　お笑い路線か？

「というわけで記念すべき第一回の大喜利のお題はー！　『こんなしゅーくんは嫌だ！』だよー！」

　いやだから俺を炎上させるのやめようよ!?

　なんでいつも俺に飛び火させようとするんだ！

「面白そうなので、いいんじゃないでしょうか～♪」

　やっぱり神寄さんは鬼畜だなぁ……。

　もういいや。好きにしてくれ。俺が被害担当艦になればいいんだろ……？

「ネタが浮かんだら挙手して回答してねーーー！」

　菜々美が呼びかけるや、スッと瑠莉奈が挙手した。早い。

「はい、瑠莉奈ちゃんー！」

「……ん……『夜な夜な妹と恋愛するラノベを執筆するおにぃ……』……リアルの妹としては、とても気持ちが悪い……」

「いや妹と恋愛するラノベを俺は執筆してないからな!?」

　思わず訂正ツッコミをしてしまった。さすがにそれはしない。

「うわー！　しゅーくん、それはちょっと気持ち悪いよー！」

「だから書いてないって！　妹を恋愛対象にするとかないから！」

　なんでこんなことを顔を真っ赤にして否定しないといけないんだ！

「はい！　次はあたしが答えますっ！」

　二三香が挙手。

「はい、二三香ちゃんー！」

「はい！　『夜な夜なゴキブリを捕食する修人！』」

　だから、なんで俺の評判をみんなで落とそうとするんだ！

　ゴキブリ食わないから！　ネタとしても嫌だ！

「うわー！　しゅーくん、それはかなり気持ち悪いよー！　そんなもの生で食べたら危険だよー！　お腹壊すよー！」

「いや、食べないから！　絶対に！」

　しかも生かよ!?　火は通そうよ!?

「……おにぃ……世の中には昆虫食というものがある……世界のすべての昆虫食愛好者に謝るべき……」

　なんで俺が責められないといけないんだ！

「そして、最後に、はい、はーい！　菜々美ちゃんが答えるよーーー！」

　両手で挙手する菜々美。

　どんな回答が出るんだろうか……。

「わたしの回答を言うよー！　『夜な夜なほかの女の子をモデルにした恋愛小説を書いているしゅーくん！』　うわー、いやだーーー！　しゅーくん浮気はダメだよーー！　八つ裂きだよーーー！」

「いやだからしてないから！」

　なんで妄想がもとで俺が叩かれなければならないんだ！

「むううーー……！　あとでしゅーくんのパソコンはいろいろとチェックさせてもらうからねーーー！」

　飛び火ばかりだな、本当に……。

　これで俺の評判がますます下がった気がする。

「ふふふ～♪　しゅーくんさんに尊い犠牲になっていただくことによって放送事故を起こした菜々美ちゃんへの批判をかわせますしね～♪　しゅーくんはいじられキャラの才能があるので、それを大いに伸ばしていってください～♪」

　大人の世界汚い。芸能界怖い。俺は芸人枠か。

「大丈夫だよ、しゅーくん！　しゅーくんのことは全力でわたしが守るからーー！」

　攻撃(放火)されながら守ってもらうようなものじゃないのか。

　なんというマッチポンプアイドル。

　炎上しながら放火してきて俺も菜々美も火だるまだ。

「わたしは新たな境地を開拓するフロンティアアイドルーーー！　ファイヤーーーー！」

　前向きすぎる。……というか、いつも前向きに暴走しすぎて予測不可能。

　平常運転が暴走だ。

　……まぁ、そんなところも菜々美の魅力ではあるんだろうけど。

　かわいいから許されている。

「わたしは芸能界から干されてもネットと動画の世界で力強く生きていくーーー！」

　干されているという認識は一応あるのか……。