竜女王テラレグルス 第1部

第6話 Cパート～剣姫騎士・メイス～

　……その時だった。

　ズゥウウウウウウンッ！

「ッ！？」

「ッ！」

　突如鳴り響いた地鳴り。数瞬後に空から降る汐の雨。

　そして僕はやっと、ラスタ・レルラが目の前にやってきたのだと理解したのだった。

「……見つけたぞ、鋼姫」

「っ、あれはメイス！」

　そう驚愕してると、ハツネさんが僕らの下へ向かって走ってくる！

「ハツネさんッ！」

「勇、変身しましょうッ！」

「あぁッ！」

　そして、僕らはレグルス・フィーナへ変身した。

　さらに同時に、ガトリングの音が浜辺に鳴り響く。

「む……あいつの『鋼衣』か」

「副司令ッ！」

「はっ、一応お前らの周りに『鋼衣』を待機させといて正解だったぜ……ハツネッ、勇ッ！　準備はＯＫだ！」

「はいッ！　ハツネさん、合体しようッ！」

「はいッ！」

　ハツネさんがそう返事をすると、僕らは白い光に包まれた。

　戦艦から射出された『鋼衣』たちがレグルス・フィーネの身体を纏う。

「白・銀・降・臨……竜女王、テラレグルスッ！」

　そして僕たちは滾るエネルギーのままポーズを取った。

　その姿に、敵は鼻を鳴らす。

「変身したか……ならばこちらも、遠慮はいるまい。『鋼衣』よッ！」

　そしてまたも紅い輝きが、空から降り注いだ。

　紅い流星が敵のラスタ・レルラ……メイスの身体に降り注ぐ。

　その光を浴びたメイスは……まるで騎士の鎧がごとく『鋼衣』を、身に纏っていた。

「さぁ、ソルラ王星姫騎士メイス……我が騎士道に掛けて、推して参るッ！　はぁッ！」

　そして巨大な剣を構え、前へと踏み出したッ！

　ガキィンッ！

「く……っ！」

　速い……そして重いッ！

　咄嗟にドラゴンアームで受け止めるも、剣撃が重すぎて砂浜に足がめり込む。

　このまま受けてはダメだ……こっちからも攻めないと！

　そう考えた僕らは、一気に相手の懐に潜りこんだッ！

「はぁッ！」

　そのままタックルするようにエルボーを食らわせ、相手の体勢を無理やり崩す。そしてそのエネルギーを利用するように、一気に脚で中段回し蹴りを食らわせるッ！

「ブースター点火ッ！　威力をさらに上乗せだぁッ！」

　カチッ、ボォオオオッ！

　ドンッ、ドガァアアアッ！

「く……ッ！」

　ブースターでの加速によりさらに威力を増した蹴りが相手の懐にクリーンヒットする。

　その勢いに飛ばされるように、メイスは大きく海の方へと蹴り飛ばされていくッ！

「ぐぅう……ッ！」

　鎧のおかげでダメージが軽減されたようだが、それでも真芯で捉えた一撃にメイスは少し怯んだ様子を見せる。

　よし、行ける……ッ！

　そう思ってさらなる連撃を加えようとした……次の瞬間だった。

　シュッ……

　空が、突然曇った。