第5話 Bパート~準備完了~

「はぁあ~……っ」

「何ため息を放っている。そんな残念なら、しっかり止めを刺してくればよかっただろう」

 メイスの追及に、イザベラは鋭い睨みで答える。

「しようとしたわよ。でも、そしたら地球の軍の奴らがチクチク砲撃してきて、しかもその間に鋼姫も変身を解いて逃げちゃうし……あんな風に逃げられたらやる気だって失せるわよ」

「全く……せっかくのチャンスを逃しておいてなんだその言いぐさは」

 メイスはイザベラの情けない言い訳に深く溜め息を吐く。それにイザベラは舌打ちしながらも厳しい反論は行わない。

「はいはい、わかってるわよ……ちゃんと次は仕留めるから、それで赦しなさい」

 そこまで言った時、会議室の扉が開いてローラが部屋へ入ってくる。

「まぁ、何とかなるだろう。こちらだってまだアレを出してないのだ。その状態であれだけの戦力差を見せつければ、地球側だって心が折れるはずだ」

 そのローラの言葉に、今度はイザベラが溜め息を吐く。

「そして、そのままこの星を侵略するっていうの?」

「そんな無粋な言い方は止めたまえ。武力で交渉した結果、星の権利を貰い受けるだけだ」

「ふん、その言い方の方が私は気に入らないわ」

 鼻を鳴らすイザベラに、ローラは笑みを浮かべる。

「そんな君に朗報だ。そろそろビットの修理が終わるぞ」

「そう。なら出るわ」

「落ち着きがないな」

「それはそうよ……後少しで皇帝陛下の願いが叶うんだから、頑張るしかないじゃない」

 その言葉に茶化すような口調を辞め……ローラは鋭い言葉でイザベラに釘を刺す。

「言っておくが、必ず捕縛してくるように……それこそが皇帝陛下の願いだからな」

「はいはい、わかってますよ。私だって陛下の機嫌を損ねたくないんだから……それじゃ、行ってきまーす」

 そして、イザベラは再度出撃していく。

 今度こそ、テラレグルスを絶望的な敗北へ導くために……。

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