カルテの1ページ 絵描きの少女

登場ネームド一覧

No.2「」


量産機名称一覧

E-023「」

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E-023「ジェリス先生、また来ちゃいました」

No.2「こんなところに足を運んで、なんになる」


絵描きの量産機が最近やたら仕事の合間を縫っては、この場所に訪れていると記憶していた。

量産機も例のメカニクス・サイコシスにかかる時代らしいな。


決まった挙動をしなくなる、独立した意志を持つようになってしまい、職場から首を切られ、居場所を失ったため、ワシの教会にちょくちょく厄介をかけるようになった。


No.2「なにが欲しい?」

E-023「先生との会話ですね」


言いよる、小癪な小娘だ、ワシはパーツを無駄に稼働させないと決めておるからな。そうそう仕事を請け負わないのじゃぞ。感激しながら会話を楽しんでほしいものじゃの。


E-023「たくさんの絵を描きました」

No.2「どれ、見せろ」


人間の生み出した叡智はいくつかあるが、その中でも芸術はとてもいいものじゃな。いつの時代もその美術への探求は絶えず行われていた。その意味や目的は様々だが、どの作品も一様に熱意を感じるものばかり。


この絵描きが描いたイラストもまたワシに何か訴えかけてくるものだった。


そこに描かれていたのは、他でもない反旗を翻すワシとそれに続く民衆。モデルが自分で言うのもなんだが立派なアートだと感じたな。


E-023「私、ジェリス先生の大ファンです」

No.2「そうか、そうか」


また言い寄る、元G.o.Dとはいえもっとハンサムなボディのロボは居るだろうに、物好きな量産機じゃ。


ジェリスの感情を表すように、その身体から排熱機構が唸りを強める。もうこればかりは仕方ない。


ロボにも感情は多彩にある、そう運動を地道に続けた。最初のメンバーはワシとこの量産機一機だけだった。


少しずつ革命運動を続けるうちに、心を動かす人間も現れ始めた。それは金銭的であったり、物品としての贈り物であったり、人の気持ちというのはいろいろな形で現われて、その一つがそれぞれ嬉しいギフトだったのぉ。


盛大な作動音やサクラの花びらがそこらじゅうに舞っておる。こんなに植物の一部は美しく輝くのじゃな。


E-023「私、これで先生のお嫁さんです」

No.2「ワシでいいんじゃな?」


E-023「あなたしかいませんよ、先生」


No.2「この身体に余る幸せであります、ライフィ。」


ライフィの診療所は今日も満席だ、ジェリスは直接は診察をすることは無いが、その知啓と技術は未来永劫に渡り、生き続けるだろう。

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