シングバトル!

ダブルテリトリー

登場ネームド一覧

No.8「」

No.11「」


量産機名称一覧

観客「」

実況特化型「」


Ch.5030「」

Ch.5031「」


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No.8 & No.11


狂気のG.o.D Rank の競演

ダブルテリトリー


―No≠Yes


私たち以外の音と色は不要。

この二人だけの歌を入力しろ。


対バンの予約は100年先まで埋まってる。

毎日ライブ配信で、シングバトル中。


負けたら活動休止。


それが挑戦する唯一の条件。


No.11「死角はないよ」

No.8「無限に無敗」


絶叫するファンたちが熱狂の中、思い思いの声援を送っている。

あの二人の登場がとても近い。


「待ってたぞ!」

実況特化型「ダブルテリトリーの登場でぇす!」


No.8「みんなお待たせっ!」

No.11「今日も私たちの圧倒的な勝利よ」


Ch.5030.5031「聞いて、シングバトル!」


叫び散らす実況ロボ、会場にけたたましく様々な音が乱れ飛ぶ。


彼女たち、ダブルテリトリーに挑戦し、打ち負かさなければ歌で仕事すること自体が叶わない世界。

なぜなら彼女たちだけの歌で全て事足りるから。その身体に詰まるありったけの歌唱センス、新譜を作り続ける作詞センス。


作曲を行うクリエイター陣はそもそも彼女たち以外に楽曲を作る理由がないのだ。

ダブルテリトリーの相手になるユニットにはあらかじめ新譜がしぶしぶ渡される。


挑戦者側はそれを死に物狂いで練習し、ダブルテリトリー側には一日前に楽曲が渡され、練習期間に入る。そのハンデを背負いながらも、ダブルテリトリーは負けを知らない。


観客たちのボルテージがクライマックスを迎える。

先手の無名のユニットもそこそこ会場を盛り上げたようだ。

No?Yes?


実況特化型「ダブルテリトリーにYesを!」


二人のG.o.D Rankが登壇し、マイクを握り歌唱を始めた途端に票数が寝返っていく。ぶっちぎりの票差でホーム側のダブルテリトリーの優勢へと移り変わる。


Ch.5030「勝てるわけない」

Ch.5031「同じ高さのステージに立てて光栄だった」


この世界でのプロフェッショナルとしてシンガーになるためには、彼女たちを打ち負かさなければならない。

そうでなければアマチュアとして活動していくしかない。もちろんそういった音楽を好む層も昔から多い。


音楽のプロとアマチュアの格の違い、それを毎日スマホで確認する中で育ったロボたちは音楽へ向けられるリスペクトが非常に厚い。


「私、挑戦者側のグッズのブースで買い物する!」


もちろん、新譜には二通り存在する。挑戦者側のボーカルが担当する楽曲とダブルテリトリーが歌唱を担当するトラックと二重に収録される。


そんな挑戦してきた相手への尊敬も忘れない姿勢が、この先も羨望の的になっている。音楽を担当する神は、この先も音を楽しむ文化を廃れさせることがないだろうと人は信じ続ける。


No.11「無限に無敗」

No.8「死角はないよ」


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