第102話 どう考えても終わりだろう
まさか、これほどの化け物までいるとは……本当についていない。
「おいそこの女っ!! お前だけでも逃げろっ!!」
そして、せめてこの少女を逃がす事ができたのならば、俺がこの世界に産まれて来た理由があったのかもしれない。
そう思うのと同時に俺は少女に逃げるように叫ぶのだが、少女はその巨躯を持つ黒いドラゴンを見ても逃げるどころか、むしろ家の中で主人が帰って来るのが分かった犬のような表情をしているではないか。
何故この少女はそんな表情をするのか全くもって理解できないのだが、ただ分かる事は、俺はこの
そして何よりも、結局サーシャを俺の物にする事ができなかった……。
こんな運命であったのならば犯してでも俺の物にしておけば良かった……。
そんな後悔や、たればばかりを考えてしまう。
「ダグラスさんっ!! これでやっとこのスタンピードは終わりますよっ!!」
しかし、そんなネガティブ思考に陥っている俺とは違い、目の前の少女は『これでやっとスタンピードが終わる』と言うではないか。
俺たちはこのスタンピードを処理する事ができないと諦めの言葉が出て来るのであればまだ分かるのだが、これでスタンピードが終わるという言葉が出てくる意味が分からない。
「いや、あのドラゴンがお前には見えないのか? どう考えても終わりだろう……」
「え? あのドラゴンが来たからこそスタンピードが終わるんですけど?」
「は?」
「え?」
「いやいやいや、どう考えても勝てないだろうっ!? 竜種、それもあんな巨躯を持つ化け物だぞっ!! いくらワイバーンを一撃で屠る事ができたお前と言えども流石にあのドラゴンを一人で倒す事など、どう考えても無理だろうっ!!」
「いや、ですからっ! あおのドラゴンは私のお師匠様が召喚したドラゴンとしか考えられません。 そして私のお師匠様が来たという事は全てが万事解決という事ですっ!! なんてたってこの私のお師匠様であるレンブラント様が来たという事ですからねっ!!」
そして流石に意味が分からないので少女にその旨を叫ぶようにぶつけると、少女から帰ってきた言葉は『あのドラゴンはレンブラントが召喚したドラゴンであり、そしてそれはレンブラントが来たと言う事という事でもある。 だからこのスタンピードはレンブラントによって終わらしてくれる』と言うではないか。
「お前は何バカな事を言っているんだっ!? あれほどの巨躯を持つドラゴンを召喚できる者などいる筈がないだろうっ!!」
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