第84話 何故か嬉しそうな返事が返ってくる
「ですから、レヴィアが今単騎で一人前線に向かっておりますわ。 なんでも『ご主人様が来るまでの時間稼ぎをして一人でも死者を減らすんだ』って息巻いておりましたわ。 それに『どうせお師匠様は寝坊して遅れて来るんだからヴィクトリアはお師匠様を叩き起こしに行ってほしい』と言われたので私がこうしてお師匠様を起こしに来てあげましたのっ!!」
そしてヴィクトリアはそこまで喋ると褒めて欲しそうに上目遣いを俺に向けて来るではないか。
いや、むしろ何死ぬほど面倒くさい事をしてくれちゃってんのっ!? と褒めるどころか怒りたくなる感情をグッと堪える。
そもそもヴィクトリアはレヴィアに言われて俺を起こしに俺の住んでいる家まで来てくれたのだからヴィクトリアを怒ると言うのはお門違いというものであろう。
怒るのであればどう考えても脳みそが筋肉でできているレヴィアの方であろうし、ヴィクトリアは何も悪くないのである。
「しかし、既に起きているのならば話が早いですわねっ!!」
「……………………あぁ、そうだな。 本当に」
そして、レヴィアが前線に一人で行ったのならば、師匠として、そして学園の教師としてアイツの首根っこを掴み連れて帰るべきであろう。
「リーシャ、出かける準備をするぞ」
「は、はいご主人様っ!!」
本当に、めちゃくちゃ、死ぬほど面倒くさいのだが、俺は腹をくくって前線へ向かう事にする。
その旨をリーシャに告げると何故か嬉しそうな返事が返ってくるのであった。
◆
いったい今回の
魔獣たちの数もそうであるが、その魔獣たちが何らかの属性魔術の耐性持ちであったり、特殊個体も多く、同じゴブリンであっても異様に素早かったり、攻撃力が倍ほどちがったりと、それだけでも異常なのだが、それに加えて大型魔獣であるワーム系魔獣、ワイバーン系魔獣、巨人系魔獣など、討伐ランクB以上の魔獣がちらほら出始めて来ているのである。
初めの方はゴブリンやコボルト程度であったのがシャドウウルフやオーク、そしてオーガとすこしずつ魔獣たちの討伐ランクも上がってきている事を見ても、もしこのままスタンピードが収まらない場合は討伐ランクSのドラゴンなども出て来るのではないかと嫌な予感がし始める。
そうなると流石に私たちだけでは対処できない為王国は終わりを迎えるのは間違いないだろう。
しかし、流石にこの魔獣の数はいくら一匹一匹は弱いと言えども流石にドラゴンなど来なくても物量で押し潰されそうになってきている。
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