第83話 今なんて言った?、
何を言い出すかと思えば、そんな事を聞いてくるとは、リーシャは俺に何を期待しているのだろうか?
「何を言っているんだ? それこそ魔術の天才の集まりである宮廷魔術師でもてこずるような強さの魔獣が溢れかえっているんだぞ? しかもそのかにも王国軍やS級冒険者も加わってもなお押され気味である事を考えればただの学園で働く数学教師である俺が行ったところでどうにもならないだろうくらいは少し考えれば分かる事であろう?」
「……ご主人様」
そして一応リーシャにその事を告げるのだが、それでも納得していないのがその表情から見て取れる。
「それに俺は今の生活が気に入っているんだ」
「そ、その今の生活を守る為に
「そうだな、俺の言う今の生活というのはリーシャが側にいる日常生活を指しているのであって、帝国での暮らしを指しているわけではないからなぁ。 それこそ隣国へ逃げて貧しくも平和に暮らせるのであればそれでも良いと思っている。 ちなみに『貧しくても』というのは比喩で、リーシャにひもじい思いをさせるつもりなど毛頭ないのだが。 そしていつか俺とリーシャの間に子供ができたりして、そんな日常を俺は暮らして行きたいんだ。 そしてそれは帝国でなくともできる」
「…………まったく、たった一度試合に負けただけで牙を抜かれてしまい、ここまで拗れてしまっていたとは。 ですが、それも良いのかもしれないわね。 私的にはカッコいいご主人様を見ていたいし、ご主人様の活躍を周囲に言いふらしてみたいとも思うのだけれども……確かにご主人様の言う未来の光景も捨てがたいわね」
なので俺はリーシャに伝わるように俺の気持ちを伝え、なんとか伝わってくれたみたいで一安心である。
「なんなら今ここで子供を作っちゃいましょうか?」
「あぁ、それもいいな」
「おはようございますわっ!! 探しましたわよローレンス様っ!! まさかと思っておりましたが本当に家にいただなんてっ!! レヴィアさんは先に防衛の最前線に行っておりましてよっ!!」
そしてせっかく俺とリーシャがこれから良い事を真昼間から行おうとしていたその時、ノックも無しに我が家の扉は開かれ、ヴィクトリア様が勢い良く入って来るではないか。
「………………は? 今なんて言った?」
それだけならばまだ良いのだが、ヴィクトリアの話した言葉に俺は嫌な予感がするので聞き直す。
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▲ヴィクトリアの口調について
レヴィアと被ってしまっているのでお嬢様口調へと変更いたします。
過去の口調については少しずつ、時間があると気に修正して行きます('ω')ノ
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