第65話 大っ嫌い、
とりあえず俺は邪魔な女を適当にあしらいながら(本当は言葉を返したくないくらいなのだが、それをしてサーシャに悪印象を抱かせるほうが嫌なので返事だけはしてあげる)サーシャへ、ここ最近なんで俺を避け始めたのか聞いてみる。
そもそも俺はサーシャに嫌われるような事をした覚えはないし、それこそサーシャの耳に変な噂が流れないように普段から行動は誰に見られても良いように心がけているし、先ほどのように興味のない異性から声をかけられてもちゃんと笑顔で対応しているようにしているにもかかわらずである。
一体、それなのに何故サーシャは俺から距離を取ろうとしているのかが理解できない。
「え? いやだってダグラスってレンブラントに試合でまぐれで、それもかなり手加減してもらって勝てただけなのに未だにあの時勝利できたのは自分の実力だとか言うし、その流れで毎回レンブラントの悪口を言うじゃない。 流石に私の好きな人を馬鹿にするような人物とは一秒たりとも一緒にいたくないんだけど? 今までは一応無視したり避けたりとかあからさまな態度はしてこなかったけれどレンブラントの事が異性として好きだというのは隠してすらいなかったのに。 そしてこの状況でレンブラントの悪口を言うという事は私がレンブラントの事が好きだという事が分かった上で悪口を言っていたって事じゃん。マジで性確悪すぎるでしょ。 それに今までやんわりと私がレンブラントの事を訂正してきたにも関わらず一向にダグラスは直す気配も見せずにレンブラントの悪口を言うから、私はもう改善の余地なしと判断しただけよ。 でもそれでダグラスを避けたところでなんで私がダグラスを避け始めたのか分からないと言うのであればこうやって何度でも言ってやるわ。 私が好きな人を悪く言うような人は大っ嫌いって。 直接いっても分からないというのであれば私は勤務地を決める者へ相談してダグラスと別の勤務地に配置してもらうように相談するから」
「ちょ、ちょっとサーシャっ!! 少し言い過ぎよっ!!」
「今まで分からなかったんだからこれぐらい言わないとこいつには分からないわよ。 それに私も流石に腹が立っていたし、お互い様よ」
「そ、それはそうかもしれないけど、言い方ってものがあるでしょう?」
そしてサーシャから帰って来た言葉は、俺が想像すらしていなかった内容であり、俺はサーシャの言葉を受け入れる事が出来ずに固まってしまう。
「ご、ごめんなさいね?ダグラス様っ!! この子は普段はこんな子じゃないんですっ!!」
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