作られるギルド
第24話・イベント後の商談
イベントから数日が経ち、マッシュマンを作り、マッシュマックに新たな食材が混ざった。
マッシュレンジと言うオレンジの風味が加わり、美味しくなった物とマッシュドウと言う、アルコールが混じった物。未成年の為、味はジュースになるため分からず、とりあえず作る。
品物を増やして加工する。マッシュレンジは炭酸ジュースになったし、マッシュドウはワインになった。
品質は全てついに★10になり、中にはエクストラと言うものもある。これは凄いらしい。
そんな畑の日々を過ごしているとジークフリードとヒビキ、シープが訪ねて来た。
「こんにちは、要塞都市の畑は広いですね。おかげで少し手間取りました」
「こんにちは」
「ようっ」
「いらっしゃい。前もってメールくれればこんなんでももてなしてたのに」
「いえ………」
「実はオレら、あんまいい話を持って来てねえんだよ」
ヒビキ達は言いにくそうに、メガネ男こと、考察ギルドが俺のことを探しているらしい。
なにか知られてはまずい事は無いかと聞かれ、やはり砂糖と油のもとだろうか。
「マッシュナッツはマッシュマックと胡桃、マッシュシュガーは薬草だよ」
上薬草とマッシュマックで上マッシュシュガーが採れだした。それを聞いて染め物に使えそうとシープは目を輝かせ、市内が盛り上がるなとジークフリード達は思う。
「彼ら、マッシュマック自体、忘れてるんじゃないかな? 初期野菜は即座に売って別の物を育てようって推奨してるし」
「それ考察班として失格じゃないか?」
「実際君を見て居ればそうだね。問題は大人しくそれで帰るかだよ」
シンク達の姿を見て心配する。俺も心配する。
「批判の声はだいぶ高まってるけどガン無視なんだよ彼奴ら。ここに来るのだってうまく撒いたりして来てるんだ」
目的は迷いの森や廃坑山から白亜の城に行けるか確認の為らしい。
「迷いの森のボスはどうなってます?」
「カーストレントはランダム出現だから、うまくかみ合わないねえ。けど調べてると、迷いの森の奥はあるようだよ」
ボスを倒した人は権利を得るらしい話を仕入れて居て、自分もある事に気づく。ついでにボス情報だが、すでに何回か倒しているから問題ないとのこと。
「それでこちらとしての相談だけど、君の持つ情報を別のサイト運営のプレイヤーに売らないかい?」
「できれば独占したい情報があるけど、そもそも市内だとどういう話になってる?信頼するから売っているの見てくれ」
最低品質★6のナッツオイル、キュアシュガー、コーン粉、ロット飼料、アップル水あめ。
最低品質★4のバブルジュース、マッシュワイン、上キュアシュガー。
素のままなのはマッシュポット。さらにマッシュマンパプリカとマッシュマック。品質は★8が最低品質。
「市場の最大品質は★5、それ以上は珍しくて現地交換ばかり」
シープがそう言って、へえと納得。めっちゃ売れると思ったら、品質ならどこにも負けていないらしい。
「後はこれかな。精霊花から取れるハチミツ。これは貴重っぽいから取ってるんだ」
「ハチミツ素材は存在しない。料理人なら涎を垂らす」
ハチミツ無いのか。なら樹がやばいな。
「カーストレント初回単独討伐で手に入った品物か。交換リストにも無かったんだよね?」
「ならかなりレアアイテムだな」
そういう品物を見て、シープからは情報が回っても、普通の畑では賄えない可能性があると言う。
「畑の面積が足りない。他の人は育樹とか取ってミカンとか育ててるし、イチゴやイチゴの品種改良品が人気。それを潰してマッシュマック一筋は難しい」
「そうか。なら全情報を売っておくか」
「いいのかい?全部売っても聞きに来ると思うけど」
「それでもいまほどじゃないんだろ?」
「だろうな。それは保証するぜ」
ヒビキの言葉にジークフリードも頷いて話を終えて、情報をメモして本人達にメールするらしい。
その間にシープの話を聞く。彼女は別口で話するために来たようだ。
「専属契約して欲しいの。精霊花とマッシュ系の染め物を試したい」
丁度この前のイベントで羊を飼う事ができて、できれば餌も欲しいとのこと。俺はそれに了承して、★7を平均に飼料の用意をする約束する。
「大丈夫なの?」
「とりあえず他の物は育てられないけど、マッシュ系は問題ないよ」
「メールでのやり取りを終えたよ。情報料渡すからトレード機能を出してくれ」
そう言ってお金のトレード機能を出してお金を受け取る。
………マジか?
「200万もらったけど、良いのか?」
「いや、あと400万未払い。個人資金トレード限界値の100万で引っかかって支払い終えていない」
「600万!?トップ勢でもいいのか?」
「元々覚悟してたから問題ねえよ。本人らから半分半分で300万出すってさ。ギルドマスター権限で支払える限度額に届いてるけど」
「確か個人だと50万、商人、ギルドマスターが品物無しで渡せる額が100万で、一週間できないんだっけ?」
「うん。あとは店の所有やギルドハウスの大きさで上限が上がるよ」
「600万でも本人らからしたら安い方らしい。あとで払うから、よかったら迷いの森の方に出向いて」
「分かった、とりあえず畑と違うから、これでホーム買えるし、もう少しここを広くできる」
「ホームかい? 畑の側の物なら畑の面積を削らないからね」
「ああ、お金最大まで使って、従魔も預けられる家を買うよ」
「いいな。農業サイトの奴と話し合いそう。彼奴も王都でマイホーム作って楽しんでたぜ」
そんな会話をし終え、そろそろお暇しようと流れになる。
シープには染め物に使うアイテムを交換して、お金のやり取りを少々。物での取引だからシープは100万ほど使う。
「良い染め物できそう、ありがとうアッシュ」
「良いよ。服の装備頼むかもしれないし」
こうして商談は終わり、畑の世話に戻る。そろそろホームページにお知らせが来るだろう。ゆっくりやろうと楽しむのであった。
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