【右耳を舌でクチュクチュされちゃう】

教室に戻ると、クラスメイト達から次々と声をかけられる...しかし男子連中は俺の元に挨拶しにくる事はなかった。


俺の周りに群がっているとはいえ、他の男子達も複数人の女子に囲まれて話をしている。


この状況じゃ、挨拶しに行くのもな。


「さっきぶりの...はぐ!」

「うわっ!?」


俺がクラスメイト達と話をしていると、宇沙ちゃんが後ろから抱きついてきた。


俺の腰付近から覗き込んできていた。


「春くんは...真帆ねえと知り合いなの?」

「ああ......昔からよくお世話になってるよ。」

「つまり悪い子さん?」

「え?」

「普通、真帆ねえと知り合いっておかしいよー?」


宇沙ちゃんの目が赤色に染まり、俺を睨みつけてきた...なんだ?


この子......。


「俺は何も悪い事はしてないよ。」

「そうなんだ、なら良かった。」


すると教室に嵐鬼先生が入ってくる。

クラスメイト達はすぐに席に戻る、嵐鬼先生が俺をチラ見する。


「春くん...パソコンの電源を入れてみて?」

「え、ああうん。」


パソコンの電源を入れると、一瞬で画面が開きモニターには授業の内容が表示された。


【講義内容】

特能者を落とすアプローチ


......。

は?


一瞬、画面に表示された文字を理解できなかった。

特能者を落とす?


「じゃあ金丸!...ちょっと前に来てくれ!」

「え、あ...はい。」


俺は言われるままに嵐鬼先生の前まで行く。


「これを首に付けて...と。」


俺は変な装置を首に付けられた。


「この授業では、男性がどうやって興奮するのか...実際に試してもらう!」

「...はあ!?」

「ちなみに今の数値は48%...この数値が100を越えると興奮状態となる...例えば、金丸...こい!」


嵐鬼先生が両手を広げてこっちにおいでとアピールをしている。


「いきなり何です!?」

「はい67%...ちょっとドキっとしただろ?」

「いや...まあ。」

「こんな単純な事でも、異性からのアプローチに10代男子は反応してしまうものだ。」


これ、まさかクラスメイト全員にアプローチされる流れじゃないだろうな。


「誰か金丸をドキドキさせたい奴はいるかー?」

「はーい!!!」


クラスメイト全員が手を上げる、もちろん男性陣はスルーだ。


「なら徳川、やってみろ!」

「はい!」


徳川さんが笑顔で俺の元まで歩いてくる。

そして......。


「春くん...こっち見て。」


俺が視線を逸らした先に徳川さんが回り込んでくる、顔の距離は10cmもないくらいだ。


「あー...春くん85%だって、ちょっと意識した?」

「いや......えっと。」


すると徳川さんは俺の方に手を置く。

そして耳元で......。


「わたし...春くんになら何されてもいいよ。」

「なっ!?」

「こっち見て?」


俺が徳川さんの方を向くと、今にもキスできそうな距離に徳川さんの唇があった。


「キスしてもいいかな?」

「だ、だめだよみんな見てるし!」

「いや...キスしてくれるまで離さない。」


徳川さんが左腕に抱きついてくる。

胸の柔らかい感触が腕に伝わり、顔を肩に寄せてきた...。


やばい......。


「そこまで!」

「あら...132%...良かったドキドキしてくれたんだね...ありがと。」


演技だとわかっていても、徳川さんみたいな可愛い女の子にあんな事されたら...。


でも、思ったよりは興奮しなかった。

綾ねえで耐性が付いたからだろうか?


「じゃあ次、蛇島へびじま。」

「はーあーい。」


次に俺の前に来たのは細くて高身長の子で、まだ話した事もない。


しかしパッと見は少し暗い感じにも見える。


「はじめまして...私は蛇島へびじま杏奈あんな、今からあなたを襲います。」

「......はい?」


次の瞬間、蛇島さんの手が伸びて俺をグルグル巻きにして宙へ浮かした。


「ちょっ!?」


そして俺は蛇島さんの身体に吸い寄せられ、羽交締めのように身動きを封じられた。


そして蛇島さんは俺の耳の中を舐め始めた。


「ひあっ!!!」

「ん...ちゅ。」


右耳にクチュクチュという音が響き渡り、思わず鳥肌が立ってしまう。


「んっ...ちゅ...れるっ...くちゅ。」

「ふああ!?」


右耳が生暖かい感触と音でおかしくなりそうだ。

気持ちいいというより、身体が反応してしまう...。


やばい...。

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