散歩の七百四十八話 早朝の出発

 翌朝、僕たちは早めに出発の準備をします。

 シロたちも早めに起きたのだけど、まだベッドの上で眠そうにしています。

 馬車内で寝ていいよと言ったので、今は頑張って起きましょう。


「皆さん、道中お気をつけて」

「「「いってきまーす!」」」


 見送りをしてくれたバーンズさんにシロたちが手を振っているけど、まさか使用人総出で見送ってくれるとは思わなかった。

 そして、馬車は町を出て大きな街道に出ました。

 天気もとてもいいし、これなら当初の予定通りに進めそうです。


「「「すー、すー」」」

「ふふふ、みんなもう寝ちゃいましたね」

「頑張って朝早く起きたのもあるでしょう」


 街道に入って直ぐにシロたちは熟睡しちゃいました。

 スーも少し眠たそうにしているけど、何とか起きているそうです。

 となると、僕も寝るのは我慢しましょう。

 いつも通り馬のところにアオが行っているので、何かあっても余裕で対処できるでしょう。

 そして、出発してから一時間後、話にあった森に入りました。

 とはいえ、探索魔法を使っても特に僕たちに襲いかかるような反応はなく、安全に馬車は進んで行きます。


「「「すー、すー」」」


 何よりも周囲の気配に敏感なシロたちが熟睡しているのが安全な証拠だけど、そろそろ起きましょうね。

 こうして、無事に昼食を食べる予定の村に到着しました。

 僕たちを乗せた馬車は、食堂兼民宿の前に到着しました。

 アオが手早く全ての馬車に継がれている馬に回復魔法をかけていて、飼葉を出したり桶に水を入れたりしていました。

 うちの馬は、まだまだ余裕たっぷりってアピールをしていますね。


「「「もぐもぐもぐ、とっても美味しいね!」」」

「あらそうかい。いっぱい食べてね」


 僕たちは普通に食べることができるのなら、どこで食べても気にしません。

 おかみさんは王国から来た王女様に料理を出すとあって緊張していたみたいだけど、シロたちの笑顔をみてホッと胸を撫でおろしていました。

 というか、普通にスパイスが効いていて美味しいお肉定食だな。

 他の随行員やマグカフさん、それにアヤやアイといった侍従や兵も美味しそうに昼食を食べていました。


「私は冒険者として活動する時もありますので。ですので、野外で料理を食べたりとかもしていますわ」

「そうかい、まるでうちの皇帝陛下みたいだね。あの人も遠征の際に寄ってくれたけど、こういう料理が美味しいんだっていっぱい食べていたよ」


 何というか、おかみさんが喜々として話す内容に親近感を覚えてしまった。

 マグカフさんをちらっとみたら、そんな感じだと頷いていました。

 こうして十分に休憩を取ったら、また旅を再開します。

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