散歩の七百四十七話 少し穏やかな午後

 昼食前になると、買い物に出ていたシロたちも帰ってきました。

 どうやら、たくさんのものを買ったみたいですね。

 ホクホク顔で、スーに買い物の成果を報告していました。

 そして、昼食を食べたら勉強の時間なんだけど……


「「「すー、すー」」」


 旅の疲れもあったのか、フランたちが僕の泊まる部屋で仲良く昼寝を始めていました。

 こればかりはしょうがないし、起こすのもかわいそうです。

 ということで、アオがシロとジョディーさんに勉強を教えることになりました。

 その間に、スーは通信用魔導具を使って陛下に色々と報告をしていました。


「うーん、今のところは特に変わった報告はないですね。花見祭りが盛大に行われたと、王都にも伝わっているそうです」

「もしかしたら、花見祭りで出た料理をだしてくれってリクエストが来ていたりして」

「あっ、シュンさんよく分かりましたね。まんまる焼きも作って欲しいそうです」


 何となく分かりそうな話だったから、僕もスーも思わず苦笑してしまった。

 その後も各所に連絡をして、これで完了です。


「うー、疲れたよー」

「そうですね。私たちも思ったより疲れていたみたいです」


 勉強を終えたがだいぶ疲れている二人は、そのままフランたちが寝ているベッドに向かった。

 そして、あっという間に寝てしまったのだ。

 この様子だと、買い物中もはしゃいでいたんだな。

 スーとほのぼのした光景を眺めながら、僕たちは連絡や明日の準備を進めていた。


「「「ふわあ……」」」


 そして、昼寝をしていた面々はおやつの時間前ぴったりに目を覚ました。

 なんというか、こういう本能は凄いですね。

 おやつを食べてから、夕食前まで勉強をします。

 そして、夕食時にマグカフさんから明日の予定について話をすることに。


「明日は、早朝より出発する予定です。何事もなければ、夕方に帝国直轄地に到着してそこの大官邸に宿泊する予定となります」

「「「はーい」」」


 シロたちが元気よく手を上げて返事をする様子に、バーンズ様の奥様も思わず微笑ましく見ていました。

 行けるところまで行くらしく、万が一途中までになっても宿泊する手段はあるそうです。


「少し森のあるエリアに入りますので、幾ら害獣駆除をしているとはいえ魔物には十分ご注意下さい」

「悪い魔物は、アオちゃんと馬が全部倒しちゃうよ!」


 あくまでもシロが言ったのは保険なので、基本的には護衛が魔物を倒します。

 しかし、気をつけるに越したことはないでしょう。

 こうして、賑やかに夕食は過ぎていきました。

 因みに、夕食は少しスパイスが効いていたけど、フランたちも美味しく食べられる料理でした。

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