散歩の七百四十六話 帝国の文化は?

 面会は一時間ほどで終わったのだけど、まだ午前中のはやいうちだ。

 出発は明日なので何をしようかなと思っていたら、応接室に子どもたちが入ってきました。


「「「お買い物いこー!」」」


 バーンズ様の奥様も子どもたちと一緒にいるけど、ニコニコしている子どもたちを見ると町の話をしてくれたみたいだ。

 でも、話し合いが終わったとはいえ、帝国側との調整などやることがまだまだあった。

 ということで、シロとアオについてもらって僕たちは調整を続けることになりました。

 もちろん、スーの希望である美味しいお菓子はバッチリ届いていて、美味しいものを買ってくると言っていました。

 では、休憩を挟んで今後の日程について話をします。


「国境から皇都まで、大体五日間の予定となります。しかし、これは通常の馬車便での場合ですので、皆さまの場合ですともう少し早く着くと思われます」

「後は、道中安全に進みたいですね。街道に出る動物や魔物の害獣駆除が進んでいればいいのですが」

「大きな街道を通りますので、道を行く人の安全もあり常に軍によって害獣駆除が行われております。今回は、特に念入りに害獣駆除をせよとのお達しが出ております」


 魔物がたくさん出ても、うちの馬なら全く問題はない。

 けど、国賓を危険にさらすことになるから、そこは帝国側も少し神経質になるのかもしれない。

 あとは、皇都にいって過激派の反応がどうなるかですね。

 

「文化の違いはあまりないでしょうが、獣人は辛い物を好みますので食生活は少し気を付けた方が良いでしょう。肉料理や野菜料理に魚料理など、意外と様々なものがありますよ」

「食事を楽しむということは、文化を感じる一番の方法ですね。僕も、料理の参考にさせて頂きます」

「雷撃の料理人たるシュン様なら、直ぐに帝国料理をマスターするでしょう。私もどんな料理を披露されるのか、とても楽しみにしております」


 種族が違うので、文化の違いはどうしようもない。

 うちは色々な種族の子どもがいるけど、まだ味覚的なものに差はないんだよね。

 性格に差が出ているのはどうしようもないと思っているけど。


「後は、皆さまがお強いというのが一番の安心材料です。帝国は強い方を尊敬する文化がありますので、皇帝陛下もきっと皆さまを歓迎するかと」

「その、歓迎というか、手合わせや料理のリクエストを既に受けております……」

「ふふ、それは皇帝陛下らしいですね。あの方はとても豪快な方なので、きっと皆さまのお力を肌で感じたいのでしょう」


 やはりというか、バーンズさんも皇帝陛下は豪快な方だと言っていた。

 個人的には、西の辺境伯様みたいなのかなと思ったけど、あの人は豪快というかちょっと抜けているんだよね。

 その後も、帝国側の生の情報を手に入れることができて、とても有意義な時間を過ごすことができた。

 さてさて、買い物に行っているシロたちはどんな感じなのかな。

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