散歩の七百四十四話 帝国に入国
翌朝、僕たちは早朝に起きて準備を整えます。
帝国の町の代表との会談があるので、きちんとした服に着替えます。
「ねえお兄ちゃん、シロもお話に参加するの?」
「シロは必ず参加しないと駄目だよ。名誉男爵でもあるからね。フランたちは、相手がどう出るか次第だね」
「そうなんだ。お話する人が良い人だったいいね」
朝食を食べながらシロと話をしていたけど、そういえば今日会う人の情報を得ていない。
こういう時は、マグカフさんに聞いてみよう。
「バーンズという方で、二十歳の青年です。ウサギ獣人の方ですが、とても気さくでいい人です」
マグカフさんがいい人というのなら、きっと問題ないはずです。
ということで、朝食を食べ終えたら服を整えて馬車に乗り込みます。
「「「いってきまーす」」」
「帝国からのお帰りを、心よりお待ちしております」
見送りをしてくれた執事にフランたちが手を振りながら、馬車はゆっくりと進み始めました。
早朝から国境を往来する人も多く、とても活気に満ち溢れています。
そんな中、僕たちは貴族用の検問所に並びました。
「スーザン王女殿下、お気を付けくださいませ」
「ええ、皆さんも大変でしょうがお仕事頑張って下さい」
「「「がんばってねー」」」
事前に話がいっていたので、直ぐに手続き完了です。
国境警備隊に見守られながら、いよいよ帝国に入国です。
「うーん、町並みが王国とあまり変わらないね」
「王国と隣接しているっていうのもあるかもね。皇都に行けば、町並みも変わるかもよ」
「どんなお家が見られるか、とっても楽しみだよ!」
確かにシロのいう通り、町並みは東の辺境伯領そっくりだった。
まあ、獣人が多いってくらいで王国とそこまで文化が違う訳でもないかも。
町中を馬車列が通るのが珍しいのか、町を歩く人も足を止めて僕たちのことを見ていた。
しかし、総じて問題が起きている訳でもない。
シロもアオも周辺に危険がないと分かっているのか、とてもリラックスしていた。
こうして、無事に町を治めている領主の屋敷に辿り着きました。
「「「わあ、お屋敷がとっても大きいよ!」」」
「辺境伯様と同じ立場になるから、それだけお屋敷も大きいんだよ」
「「「そーなんだ!」」」
もうフランたちは町を見て、そして屋敷を見て大興奮しっぱなしです。
これからまだまだ帝国を進むのに、このペースだとビックリが足りなくなっちゃうよ。
僕もスーも、はしゃいでいる子どもたちを見て思わず苦笑しちゃいました。
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