散歩の七百二十四話 前日準備は完了です

 今日は多めに冒険者が集められていて、その中にはこの前新人冒険者向け講習に参加したものも含まれていた。

 治療担当の三人の魔法使いは、僕たちが動いているので治療はほぼお任せになりそうです。

 時折スーが治療を教えているし、多分大丈夫でしょう。

 なんせ、準備作業中に怪我する人がいるのでいい実践訓練になっていた。


「くるくるくるってやるんだよ」

「焼けてくると、上手く回せるのね。中々面白いわ」


 まんまる焼きの新しい鉄板も上手く焼けていて、ホルンがジョディーさんに上手に教えていた。

 試食も問題ないし、中身の具材を何にするかという熱い議論が繰り広げられていた。

 僕の焼きそばパンは、味見しなくても大丈夫だろうという謎の信頼を得ていた。

 そんなこんなで、昼食の時間を兼ねた試食タイムです。


「もっとお肉希望だよ!」

「フランも!」


 お肉もりもりな焼きそばをシロとフランは希望していたけど、栄養バランスのためにしっかりと野菜も食べましょうね。

 作業員もお肉を欲しそうにしていたけど、ここは譲りません。


「わあ、このスライム焼きってとても美味しいですね。しかも、甘さも控えめです」

「流石はアオちゃんですね。料理も上手です」


 アオと一緒にスライム焼きを作っていたマヤさんとセラさんだけど、アオの料理の上手さに脱帽していました。

 とはいえ、二人の作ったスライム焼きも中々の出来栄えだと思います。

 スーはたくさん看板を作っていたけど、アヤとアイも手伝っていたし大丈夫みたいですね。


「今年はトラブルになる要因がないし、本当に気が楽だ。まあ、まだ何があるか分からないがな」


 去年は人神教関連で揉めたから、実行委員長も気が楽でしょう。

 他の面々も、去年よりも余裕を感じられます。

 お腹もいっぱいになったし、午後の準備も無事に進みました。

 これで、明日の準備は完璧です。

 僕たちも、支度を整えて屋敷に帰りました。


「明日は儂も行くが、どのようになっているか楽しみだな」

「ええ、子どもたちの張り切っている姿が目に浮かびますわ」


 先代夫妻は、子どもたちの引率として会場に来るそうです。

 普通に祭りを楽しみたいのもあるのかもしれないけど、それほど待ち遠しいのでしょうね。

 僕たちも明日朝は早いので、早めに寝ることにしました。

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