散歩の七百十四話 みんなで色々な経験をします
翌日も花見祭りの会場に行こうと思ったら、思いがけない同行者が。
「今日は、儂が子どもたちを引率しよう」
「「「わーい」」」
なんと、先代様が子どもたちの引率をすることになりました。
更に、スーだけでなく随行員の面々もついてくることに。
というのも、帝国からの連絡返事待ちになっていてやることが何もないそうです。
辺境伯家としても、花見祭りは一大イベントなので滞りなくやることが大切だそうです。
ちなみに、今日のスーは冒険者服です。
準備もできたので、早速花見祭りの会場に向かいます。
「「「おはよーございます」」」
「おはよう、今日も元気だな」
小屋から顔を出したのは、昨日不在だった実行委員長でした。
その代わりに、今日は奥さんが不在です。
「ふむ、この様子だと町も人が凄いことになっているみたいだな」
「ええ、そうなんですよ。散発的な喧嘩も起きていますし、少し治安の悪化が懸念されます」
「直ぐに、兵による巡回を強化しよう。この人混みを利用した犯罪を防がなければならない」
流石は先代様、直ぐに執事に指示を出していました。
この辺の行動力は凄いですね。
随行員も、思わずおおってなっていました。
そして、実行委員長が僕に一言。
「シュン、また朝食を作ってくれや。今日は六人前だ」
小屋の中を覗くと、昨日も会った冒険者三人に加えて、魔法使いっぽい服を着た冒険者三人がペコリと頭を下げていた。
女性三人組で、この三人が今年の治療班だそうです。
でも、絶対に六人前では足らないはずなので、取り敢えず倍の十二人前を作ります。
ちゃちゃっと、サンドイッチとお肉サンドにしました。
「おお、うめーな。流石はあんちゃんの作った料理だ」
「わあ、フルーツサンドです。こういうものが食べられるなんて」
「シュンお兄ちゃん、お代わり!」
まさかの実行委員や随行員にシロたちまで食べるとは思わず、結局追加で作ることになりました。
その間に、小さい子たちは法被のサイズ合わせをしています。
「そうそう、スーはまた看板に文字を書いてくれや。今年はまんまる焼きも出すことにしたぞ」
「ええ、分かりましたわ。去年と同じ感じで書いておきます」
実行委員長はスーが王女様だと知っていて、あえて普通に指示を出していました。
スーも分かっていて、普通に指示を受けていました。
アヤとアイ、それに随行員も面白そうに手伝っていました。
「こういうことはやることがないので、中々面白いですよ」
「ええ、貴重な経験になります」
フランツさんとベイカーさんも、楽しそうにスーを手伝っていました。
確かに貴族の子弟となると、普段はこういうことはしないよね。
ラストさんはシロたちと荷物運びをしていたし、モルガンさんは主婦陣と話をしながら色々と情報を集めていました。
そんな中、僕は昼食の準備を始めていました。
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