散歩の七百十二話 みんなの昼食を作ります
「「「ばいばーい!」」」
「お邪魔しましたわ」
「また、明日来ますので」
そして、お腹いっぱい美味しいものを食べた子どもたちとともに、先代夫人様とスーは屋敷に帰っていった。
この分だと、明日も花見祭りの会場に来そうですね。
そして、僕たちはそのまま会場準備を進めます。
「おやまあ、法被が汚れているわね。シュン、洗ってくれないかい?」
実行委員長の奥さんから渡された法被は、確かに一年間使ってなかったので汚れが目立っていた。
特に子どもたちは法被を着るだろうなと思い、生活魔法で法被を綺麗にした。
シュイーン、ぴかー。
うーん、子ども用はなんとかなったけど、大人用はだいぶ汚れているなあ。
生活魔法で綺麗にならなかったので、桶をアイテムボックスから取り出して洗い始めた。
そして、水魔法で水を飛ばしてもう一回生活魔法をかけます。
シュイーン、ぴかー。
よし、これでオッケー。
「全部洗い終わりました」
「おっ、流石だね。じゃあ、次はこのエプロンを洗ってね」
なんというか、今日は何でも洗う係ですね。
その後も、色々なものを洗っていきながら午前中が過ぎていきました。
ちなみに、力作業は全部シロ達が新人冒険者と行ったので、やる事がなくなっちゃいました。
でも、折角なので昼食を作ることにしました。
色々な面々が僕に期待の視線を向けているので、ここで昼食を作らないという選択肢を選ぶと大変な事になりそうだ。
ということで、焼きそばと焼肉を作っていきます。
前回も、ひたすら焼きそばパンを作っていたもんなあ。
そんな事を思いながら、人数分の昼食を作りました。
「しかし、シュンさんのパーティはとても強い人がいると聞いています。なんでも、北の辺境伯領での武道大会で優勝した人がいるとか」
みんなで昼食を食べていると、ふと新人冒険者が僕に質問してきた。
えーっと、人じゃないんだけどどうやって説明すれば良いのだろうか。
すると、普通にシロが説明しだした。
「あのね、チャンピオンはアオなんだよ! Cランク冒険者でもあるんだよ」
「えっ? スライムが、武道大会のチャンピオン?」
「あっ、本当だ。ちゃんと冒険者登録してある」
「なんだ? このハンターライセンスの数は。こんなにも凄いなんて」
アオがアイテムボックスから自分の冒険者カードを見せていたけど、新人冒険者はまだ戸惑っていました。
普通、スライムが冒険者になって武道大会のチャンピオンになるとは思わないよね。
ということで、昼食が終わったら実際に手合わせする事になりました。
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