散歩の六百七十七話 ノア君も魔法の才能が

 翌朝、さっそくジョディーさんとノア君の訓練を行うことにしました。

 シロたちはワクワクしていて、いつもよりも早く起きていました。


「ジョディーさんは身体能力強化魔法が使えると聞いていますけど、ノア君は何か魔法を使えるのですか?」

「ノアは、特に魔法を使えるとは聞いておりません。ただ、確認したことがないので、実は使える可能性があります」


 ジョディーさんも、ノア君のことは良くわかっていないんだ。

 ではでは、さっそく確認してみましょう。

 瞑想して、魔力循環してみましょう。

 すると、あることに気が付きました。


「ノア君は、土魔法の素養がありますね」

「「えっ?」」

「「「「おおー!」」」」


 ジョディーさんとノア君は思わぬことにビックリしていたけど、シロたちとアオは大喜びです。

 試しに手をつないで魔力循環をしてみたけど、間違いなく魔力があった。

 ということで、最初はシロが二人と手を繋いで輪になって魔力を循環させます。 


「ぐるぐるぐる、こんな感じで魔力循環するんだよ!」

「一人でやるよりも、複数人でやる方が難しいんですね」

「何かがぐるぐるぐるしているよー」


 ジョディーさんもある程度は魔力訓練を受けていたみたいだけど、ノア君と一緒に基礎から勉強した方が良さそうです。

 当分は魔力循環をメインにして、魔力に慣れて貰うのを目指しましょう。

 初日なので、シロとの魔力循環で終えます。

 明日以降は、みんなで手を繋いで魔力循環を行いましょう。

 今度は、武器を手にしての格闘訓練です。

 ジョディーさんは、メイスを主とした打撃戦です。

 さっそく、スーと打ち合ってもらいます。


「うーんとね、これが良いと思うよ」

「だよね。これがあっているよ」


 シロとホルンがノア君に選んでいたのは、短槍と言われる短い槍でした。

 取り回しもきくし、中々良いチョイスだと思います。

 バックラーも身に着けて、軽装だけど前線タイプの戦士の出来上がりです。

 ノア君の指導は、シロたちとアオが行います。

 アオがいるなら、教え方を間違える事もなさそうです。

 こうして、初日にしてはまずまずの訓練を行うことができました。


「実際に訓練をしてみて、お二人はどうでしたか?」

「とても新鮮でした。こんな訓練方法があるのだと、初めて知りました」

「魔法が使えるって知って、とても嬉しかったよ」


 朝食時に感想を聞いてみたけど、二人とも満足そうにしていました。

 特に、ノア君はかなり充実した表情を見せていました。

 今日は一日用事がないので、この後は二人の勉強の程度を確認します。

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