散歩の六百七十五話 自己紹介したら固まっちゃった

 パカパカパカ。


「さあ、着きましたわよ」

「「うわあ……」」


 ジョディーさんとノア君は貴族街に入った辺りから緊張からか口数が少なくなり、屋敷に着くと言葉を失ってしまいました。

 度肝を抜かれるとは、まさにこのことをいうんですね。

 因みにノア君が追加になったと既に屋敷に連絡してあるので、用意もバッチリです。


「「ふわわ……」」


 そして、大きくて広々とした庭と立派な建物を見て、またもや言葉を失っていました。

 緊張もあるかと思うので、応接室に案内して話をすることにします。

 うん、屋敷の中に入ってもノア君はロボットみたいになっていて、ジョディーさんにピッタリとくっついていた。

 そんなノア君の姿を見て、ジョディーさんは余裕を取り戻したみたいです。

 全員座ったところで、改めて自己紹介をします。


「では、改めてようこそ。私が屋敷の主人の、スーザン・ヘーゼルランドです。一応王国王女ですが、気にせずにスーと呼んで下さい」

「はっ、はい!」

「えっ、えっ?」


 おおう、いきなりスーが笑顔のままぶちかましてきました。

 ジョディーさんは話を聞いていたみたいだけど、改めてスーから自己紹介をされると訳わからなくなっていた。

 ノア君は、まだ状況を理解していないみたいですね。


「では、次は僕ですね。シュン・ヴィクトリー子爵です。まだ子爵になったばかりですので、どうぞシュンと呼んで下さい」

「「えっ!」」


 あの、何故か二人がとんでもなくビックリしています。

 スーの時はそこまでの反応ではなかったのに、何ででしょうか。


「その、すみません。てっきりスーさんの使用人かと……」

「僕も家来かと思ってた」

「あはは……」


 ああ、うん、何となく言いたいことは分かった。

 僕は、庶民オーラ全開だもんなあ。

 スーも苦笑しているということは、前にも同じように言われたことがあったんだろう。

 僕は、思わずガクリとしちゃいました。


「えっとね、シロだよ。名誉男爵なんだ。このスライムはアオちゃんで、冒険者で勲章も貰っているんだ」

「フランだよ。フランも勲章貰っているよ」

「ホルンです。その、私も勲章貰いました」

「ヴィヴィです。勲章貰ったよ!」

「「……」」


 そして、シロたちの自己紹介を聞いて、二人は更に固まってしまった。

 特に、シロが名誉男爵って辺りは、目が飛び出るくらいビックリしていた。

 全員普段はドレスとか着ないし、今はスー以外は冒険者服だから実は凄いんですってギャップが凄いのかも。

 二人の頭の処理が追いつかなくなったので、暫くお茶とお菓子タイムとなりました。

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