散歩の六百十六話 みんな強くなったかな?

 翌朝、僕たちは庭でいつもの訓練を行います。

 ジジたちも、僕たちの強さに興味があるらしく、一緒に訓練することになりました。

 準備運動をして、体をよくほぐしてっと。

 アオも、ふにゃふにゃとストレッチっぽい事をしていますね。

 では、さっそく訓練を始めましょう。


 シュンシュンシュン!


「てやー」

「とやー」

「とー」

「どんどんとやってきて良いぞ」


 僕は、フラン、ホルン、ヴィヴィの三人を相手にしています。

 掛け声は可愛らしいけど、三人のスピードは中々です。

 でも、流石にまだ攻撃が単調なので、僕でも余裕で三人の攻撃を止められます。

 そして、ジジたちの相手はスー、シロ、アオが行います。

 こちらも、中々白熱しています。


「てやー! とー!」

「ちょっ、速いし強いぞ!」


 中でも、シロとジジの手合わせは中々のものでした。

 シロは本気を出していないけど、ジジもこの一年でかなり実力を上げていました。

 白熱した手合わせは、五分ほどで終了です。


「はあはあ、こりゃスゲーな。俺も少しはやれる自信はあったが、遥か上を行ってやがる」

「えー、そうかな?」

「シロが手加減していたのも分かったさ。だが、まだ鍛える余地はあるということだな」


 ジジが地面に座って汗を拭きながら感想を言っていたけど、シロの強さが分かるだけでも凄いと思うけど。

 ジジも、間違いなくこれからも強くなるはずだよ。

 ゴルとアオ、ルンとスーも良い感じに手合わせが出来て、とっても満足そうな表情をしていました。

 そして、朝食を食べたらジジたちを見送ります。


「年が明けるまで、俺たちも王都にいる予定だ。何かあったら呼んでくれ」

「ははは、そう言うと本当に呼ぶかもしれないな」

「流石に、悪との対戦は勘弁だ。とはいえ、あいつらとやるとなったら俺らも張り切りるかな」


 玄関でジジたちを見送るけど、三人ともゴブリン騒ぎの件でレッドスコーピオンと接触している。

 だから、レッドスコーピオンの残忍性は良く理解していた。

 こうして、冒険者ギルドに向かうジジたちを見送った後、僕たちは着替えてヴィクトリー男爵家に向かう事に。


「ケインちゃんに会いに行くぞー!」

「「「おー」」」

「あの、目的はスーの荷物を取りに行く事だからね」


 何回かスーの荷物を実家に取りに行く事になっているけど、特にやることのないシロたちは赤ちゃんに会うのが目的になっています。

 今日は変な貴族が来てなければ良いなと思いながら、僕たちを乗せた馬車が出発しました。

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